仙台市青葉区国分町にある『コーヒービーンズストア ろじーな』のマスター・宮嶋克雄さん。長年、仙台・宮城のコーヒー文化に真面目にマメに向き合ってきた彼だからこその痛快?辛口?な連載です。本誌連載よりちょっぴり遅れてWebにて全文掲載いたします。タイムリーに読みたい方は「せんだいタウン情報S-style」をチェックしよう!
本連載を参考に、自分の好みの焙煎度合い、味の確定を指定し豆を買えましたか? 次は焙煎度合いと抽出条件の組み合わせです。これを知らないで、ハンドドリップだからおいしく淹れられるというような話は通用しませんね。おいしく淹れられる器具や方法は、この世に存在しません。
味を損ねないために、各焙煎度合いによって、湯の温度、挽き方、抽出時間の3つの条件の組み合わせというものがあるのですね。
抽出条件は、日本の軟水という性質に合わせて考えられています。浸透力、抽出力に優れた水です。ヨーロッパなどの硬水はこれらに劣る水です。硬水の性質に合った、不完全ろ過を中心にエスプレッソ、フレンチプレス、エアロプレスといった器具類が考案されてきました。
軟水には、こうした器具類は不向きで、完全ろ過でフィルターにペーパーや布を使用したものになります。ここで断っておくことがあります。煎りたてという品質であれば、お湯を沸かして粉に注ぐ程度のもので、誰にでも香味は微笑んでくれます。
それを前提に、味を損ねないための抽出条件の説明です。軟水下の挽き方は、粗挽きが基本です。抽出力の強い水ですから、細かく挽くことは短時間で抽出オーバーを起こすからです。
ドリップは、粉エキスとの間に濃度差を付けるために、給湯をくり返す必要があります。例えば、薄いからと言って細かく挽くことは、短時間で抽出オーバーを起こし、味を損ねることになります。
粗挽きを粉量で調節することが正解です。湯の温度は、90℃から80℃くらいまでを使用します。この幅の理由は、焙煎度合いと抽出時間の関係からです。カフェイン、クロロゲン酸が多く溶け出す90℃以上は、質の悪い苦味、酸味を作り出す原因になります。
浅煎り系は、90℃くらい。中煎り系は、90℃から85℃くらい。深煎り系は、90℃から80℃くらいです。よく耳にする91℃で、という微妙な話しは論外です。
コーヒーは、ロット単位、不確実性の高いもので、1℃単位のレベルで微妙な味覚を測れるものではないからです。抽出時間は【浅煎りは2分から2分30秒/中煎り系は2分30秒から3分/深煎り系は3分から3分30秒】となります。
これは、おいしくなるという時間ではなく、抽出オーバーを起こし、味を損ねるだいたいの時間です。味を損ねた時の修正法は、次に抽出時間を短くすることで必ず解決します。
時間をかけて丁寧過ぎることや、ドリッパーに湯を溜めて時間をかける感覚的な淹れ方は、ハンドドリップから逸脱した行為なのです。単純に味を損ねる時間があり、各煎度合いで異なる時間を知ることが決め手です。それだけでクリーンに変身することを約束します。
抽出条件は、自分の好みで勝手に変えてしまうのはいけませんね。味を損ねる基準を無視したことになります。おいしくなる抽出条件はありませんよ。次回はお湯の注ぎ方編。
これを間違っている方が多い!
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仙台在住16年、編集長5年目。好きな温泉地は須川高原温泉(岩手)、野地温泉(福島)、鳴子温泉(宮城)。仕事柄食べることは大好きだが、withコロナ時代は「生活の時短」をテーマに、最新家電や在宅ワークに役立つアイテムにハマり中。Amazonヘビーユーザー。
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