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2022.04.30

【全文公開】蒲鉾本舗高政社長による好評連載「女川とアカルイミライ」vol.13

皆さんこんにちは!
S-style編集部のありちゃです。

女性アイドル(特にWACK)と女川大好き!なありちゃの熱烈オファーにより始まった、蒲鉾本舗高政社長・高橋正樹さんによる好評連載「女川とアカルイミライ」。

震災後の悲しみの中、ひょんなことから始まった女川とアーティストたちの物語。さまざまな出会いを経て、“被災地”から“ハッピーを届ける町”へと変貌を遂げた女川のストーリーを、物語の立役者・老舗蒲鉾店『蒲鉾本舗 高政』社長の高橋正樹さんが紡ぎます。

蔵出し情報満載!(?)な本連載を、全国のアーティストファンにも届けるべく、
特別にWEBで全文公開します。

第13回「ONAGAWACK その④」

日本中でどこもやったことがない内容の、小さな町の一大イベント。その準備が本格的に始まった。行政の協力を得ることも決まったが、ONAGAWACK開催にあたりイベントへの補助金・助成金の類は行政から1円ももらわなかった。私たち民間の力だけでやりとげたいという想いを貫徹したのだ。これは女川町の復興から学んだことなのだが、補助金を最初から充てにした事業に、100点満点を付けられるものはほとんどない。単純な話で、他人の金だからと、とことん腹をくくることがないからだ。覚悟がない人や組織が実施するプロジェクトは満足点も低い。事業の効果の検証も数値化の上シビアに精査することなく、ゆるく、甘い。そして「去年の補助金1,000万円なので、今年もください」と前年踏襲の消費をする。こんなことを日本全国がやっていたら、お金がいくらあっても足らない。ONAGAWACKは補助金に極力頼らない女川型復興の考えに準じる。民間の力だけで価値を生み出し、コストも賄い、来場者満足度を追求し、120点を目指すのだ。そのためには女川町の産業・企業・商店、地形や建物も含めてすべてを活用する必要がある。「どこからやろうかなあ…あれ?」。とりあえずここまで誘致や参加企業・商店の大枠形成に向けて突っ走ってきたが、一番必要不可欠なものが抜け落ちていた。

「やべえ、実行委員会作んなきゃ!」。今想定しているイベントは、とても私一人で運営できない。普通のイベントでさえ組織で動くのに、今回はやることが大きすぎる。組織図としては一番上に実行委員長の私がいて、警備部会、広報部会、店舗・企業をまとめる渉外部会。さらにグッズや飲食メニューのプロデュースをする商業部会、街の装飾やBGMを展開する企画部会、全グループメンバーのスケジュールを管理するチーム。警察署や消防署への説明と許可申請が必要だから、書類も作成しないとだし、JR女川駅の増発・増便の交渉にも行かなきゃ…。やることはたくさんある。そして、ここで1つの想いが浮かんできた。「これら全部、もしかして俺一人でできるんじゃね?」

「S-style4月号」には写真掲載!

いかがでしたか?

女川でのイベントの様子も掲載しています。
興味がある方は、ぜひお手にとってみてくださいね。

次回の連載もお楽しみに!

 

「S-style4月号」はAmazonでも好評発売中!

★「女川とアカルイミライ」過去記事はこちらから★
第1回 BiSと女川のはじまり①
第2回 BiSと女川のはじまり②
第3回 BiSと女川のはじまり③
第4回 女川町民音楽祭「サンマーソニック」①
第5回 女川町民音楽祭『サンマーソニック』②
第6回 「ただいま」と「おかえり」
第7回 港町女川のギター工房
第8回 アイナ・ジ・エンドさんの涙
第9回 あの日から10年を越えてなお
第10回 ONAGAWACK その①
第11回 ONAGAWACK その②
・第12回ONAGAWACK その③

有沙高橋
メリ田

出産を機にS-style編集部を卒業し、現在は在宅ライターとして仙台・宮城の注目情報を発信!ラーメンソムリエの資格をとっちゃうくらいラーメンが好きで、子連れで行けるラーメン屋開拓が趣味。家にいられないアウトドア派の息子(1歳)と格闘する日々で、最近は常にHP0状態です。