仙台市青葉区国分町にある『コーヒービーンズストア ろじーな』のマスター・宮嶋克雄さん。長年、仙台・宮城のコーヒー文化に真面目にマメに向き合ってきた彼だからこその痛快?辛口?な連載です。本誌連載よりちょっぴり遅れてWebにて全文掲載いたします。タイムリーに読みたい方は「せんだいタウン情報S-style」をチェックしよう!
そろそろ冷たいものが欲しい季節ですね。今回は、暑い夏に飲みたくなる“アイスコーヒー”のお話。ヨーロッパには、アイスコーヒーというメニューはありません。フランスでは、鉱泉水(冷泉)で割って飲むことはありました。氷を入れて冷たくする文化は、実は日本が発祥。ヨーロッパの水は、ミネラルが多く溶け込んでいる硬水です。この水で氷を作り、生ジュースに入れて冷やすとおいしくない。だから、飲み物自体に氷を入れる習慣がないのですね。日本は軟水なので、飲み物の味に影響が少ないですし、だから、かき氷もおいしいというわけ。さて、アイスコーヒーは日本の専売特許。だけど、「なんかおいしくないなぁ」と思ったことはありませんか。それは、材料の豆が煎りたてでないことに尽きます。それをアイデアで、あっと驚く、香ばしいアイスコーヒーになるんです。まず、今流行の水出しアイスコーヒー。用意するのは、煎りたてのコーヒー豆。味の確定の焙煎度合いは、「イタリアンロースト」か「フレンチロースト」。もちろん、賞味に値するかの確認は忘れずに(ポイントは粉にお湯をかけたら粉が膨むこと)。それとキッチンペーパー、もしくは布生地のリネンをハンカチくらいに切ったもの(使う前に煮沸して、水で洗ってから使ってね)。キッチンペーパーに50gの粉(粗挽き〜中挽き)を包んで縛る。それを1リットルの水に浸けて冷蔵庫へ。浸ける時間は6時間を超えないこと。これで市販品よりおいしいアイスコーヒーの出来上がり。ホットにも代用できますよ。キッチンペーパーを小さく切って、10~15g包んだものを、3つか4つ持って会社へ、カップに放り込んでお湯を注げば、どこでも煎りたての香味。誤解があるのは、水出しだとおいしくなるという話しは眉唾もの! 水だと、品質の悪い味も良い味も出にくいということです。水出しは、ダッチコーヒーが起源です。香味の劣る豆(ロブスタ種)をどうにかして飲めるようにしたいということで、オランダ人が植民地のインドネシアで考え出した淹れ方なんですよ。やっぱり、コーヒーは80度くらいがおいしさの適温です。 裏の裏技をもう一つ。水出しで麦茶やハト麦茶を作る時、少しだけコーヒーを加えてみて。ダマされたと思って、やってみて! すっごくおいしくなりますよ。もっとおいしいやつを教えて? はい、教えましょう。まずは魔法瓶を用意。ステンレス製でも、ガラス製でもどちらでもよいのですが、ガラス製は氷を淹れる時の衝撃に注意。魔法瓶に氷を一杯に詰め、魔法瓶の容量の半分を目安に、イタリアンまたはフレンチローストで粉多めでコーヒーを淹れてください。熱いコーヒーを氷の詰まった魔法瓶にザーッと。これで一日中冷たくて香ばしいアイスコーヒーが、いつでも飲める。まだまだ方法はあるけれど、今回はこれまで。アイスコーヒーは、〝煎りたて〟ならアラブ、ヨーロッパには負けないんだぞ~。
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仙台在住16年、編集長5年目。好きな温泉地は須川高原温泉(岩手)、野地温泉(福島)、鳴子温泉(宮城)。仕事柄食べることは大好きだが、withコロナ時代は「生活の時短」をテーマに、最新家電や在宅ワークに役立つアイテムにハマり中。Amazonヘビーユーザー。
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