仙台市青葉区国分町にある『コーヒービーンズストア ろじーな』のマスター・宮嶋克雄さん。長年、仙台・宮城のコーヒー文化に真面目にマメに向き合ってきた彼だからこその痛快?辛口?な連載です。本誌連載よりちょっぴり遅れてWebにて全文掲載いたします。タイムリーに読みたい方は「せんだいタウン情報S-style」をチェックしよう!
今年は、読者の皆さんに必ず質の良いコーヒーを飲んでもらおうと思っています。究極のコーヒーは、皆さん自身が「煎って・挽いて・淹れる」、煎りたての香味を楽しむものなんですよ。まずは煎ることから始めてみましょう。ヨーロッパ、アラブでは、生豆を購入する習慣から飲み継がれてきました。もともとコーヒーは、台所仕事で豆を煎っていたのですから、敷居が高いものではないのです。煎ると言っても、講釈するようなことはあまりありません。ミルクパンなどの軽い鍋に生豆(50g以下)を入れて、火にかざしてひたすら振るだけです。疑うなら、やってみましょう! そこで、やってはいけないことと、煎り止め(焙煎度合い)の目安を教えますね。やってはダメなのは【①道具は手網を使用する手網焙煎、いわゆる直火焙煎という道具は、家では正常な加熱を作り出すことは不可能。②50g以上を煎ることは、正常な加熱になりにくい。③弱火で丁寧に時間をかけることは、正常な加熱ではない】。焙煎の熱環境は200度前後で、褐色になる熱反応を起こすことです。ガスの炎は、1200度以上です。紙は550度くらいで燃えます。手網などの直火では、当然燃えてしまいます。焦げて褐色なのではありません。豆温度が絶えず上昇して、熱反応が起こる熱環境が必須条件です。ですから時間は、正常な加熱の結果ですから5分くらいの短時間でも構わないのです。乱暴で信用されそうもありませんね(笑)。強火で、途中炎から遠ざけたり、弱火にして豆温度を下げないように注意! 焙煎は、正常な加熱の結果に許容範囲の時間というものがあります。無駄に長い加熱は禁物です。軽い鍋に50g以下を入れて振りますが、飛び出さないように蓋の代りに、アルミホイルで覆って金属製のクリップで止め、小さな穴をプツプツ開けてください。煎り止めは音です。家の焙煎は、豆の色を見たら失敗します。色を確認する行為は豆の温度を下げることになります。加熱を始めしばらくすると、1ハゼと呼ばれる「パチパチ」という音が始まります。この「パチパチ」が盛んになったら浅煎りです。次に2ハゼという「ピチピチ」という軽い音が始まります。火力が強いので、「パチパチ」の後に「ピチピチ」が一緒に始まり、この辺が中煎りです。「ピチピチ」の音だけになり、「ピチピチ」が盛んになったら深煎りです。煎り止めにしたらザルにあけます。振るって冷まし、薄皮を飛ばす。うちわなどで扇ぐことは不要。振り方が悪いと鍋底を滑った面だけ黒く焦げているものが出てくるはずです。それでも質の良い香味は手に入ります。10分前後と時間が短ければ、抽出液に焦げ臭さがでることはありませんから、大丈夫。家での焙煎は、直ぐに飲み始めましょうね。これだけで、煎りたての香味! 煎らなきゃ損損! 汗だくで豆煎って飲めば、暑気払い! 次回は、煎らない人のための豆購入法を伝授しますよ。
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仙台在住16年、編集長5年目。好きな温泉地は須川高原温泉(岩手)、野地温泉(福島)、鳴子温泉(宮城)。仕事柄食べることは大好きだが、withコロナ時代は「生活の時短」をテーマに、最新家電や在宅ワークに役立つアイテムにハマり中。Amazonヘビーユーザー。
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