連日さまざまなお笑い番組で活躍中のロバート秋山さん。
テレビ界で活躍の一方、テレビ雑誌とYouTubeを連動させた連載企画として人気を集めるのが「クリエイターズ・ファイル」。
秋山さん独自の視点で切り取られたひと癖もふた癖もあるクリエイターたちは、新作が発表される度に話題となっています。
さらにこの秋、「クリエイターズ・ファイルEXPO」と題したライブツアーを開催。
これまで演じてきたクリエイターの制作舞台裏からツアーの見どころまで、秋山さんご本人に聞いてみました。
2022年9月。S-style編集部を訪ねてくれたロバート秋山さん
秋山7年ってすごいですよね。月に一度撮影をしているのですが、楽しみながらコンスタントに続けてこられました。
秋山何度か考えたことはあったんです。でも絶対に無理だろと思っていて。だってたくさんのキャラクターを演じるのは僕ひとりですからね。それをライブでなんて不可能じゃないですか。だから形にはしなかったし、できなかった。でも今年の年末には演じてきたクリエイターの数が100になるというこのタイミングが、禁断のライブに挑戦するきっかけになりました。
仙台の印象を「優しくニコニコ微笑んでくれる方が多いですよね」と語る秋山さん
秋山こんな機会、何度もあるものじゃないですからね。だから、一度勢いで行っておこうか、という感じです。でもせっかくやるんですから。たくさんのキャラを登場させられるようにメイクさんや衣装さんにも協力をお願いしました。そうすると「構成を考えればライブは可能かもしれません」という流れに。大きな後押しになりましたね。
秋山目標は何もなかったです。続くとも思っていなかったですし。何も意識せず、ただただ「次はこれをやろう、その次はこれをやってみよう」と続けてきただけ。それでも80作目を超えたあたりで思ったんです。「あれ? これ100見えてきてない?」って。
秋山頭の中にブレーキをかけることなく続けてきましたね。とりあえずやってみようって。なんならアイデアがなくてもやってみよう、なんて時もありました。
「クリエイターズ・ファイルに台本はなく、“その場のノリ”が基本。ライブでもその場でしか生まれないおもしろさがあるはずです」
秋山おっしゃる通りですね。写真や映像、メイク、衣装はもちろんですけど、そのほかも多くのスタッフさんに支えてもらっています。スケジュールを組むのも、まずはメイクさんと衣装さんの予定を聞いてから。スタッフさんの技術がないことには撮影できませんからね。
秋山メイクも衣装も、初期の頃から同じ方が担当してくれています。それだからか、最近は僕のイメージとか感覚を捉えてくれるスピードがすごく早くて。撮影の度に「次はこんなキャラクターで、こんなイメージで…」と伝えるんです。そうすると「なるほど、ちなみに色は?」なんてやりとりをするのですが、最近ではもう1、2ターンくらいで終わるようになりました。僕が求めているものをすぐにわかってくれるんです。でもミイラを演じたロイペル12世の時に「次はミイラをやりたいです」と伝えたら、メイクさんから「少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか…」という魂を感じるメールが返ってきました(笑)。
秋山でも撮影当日は、顔に半紙のような紙を貼って荒れた肌を表現するという素晴らしいアイデアを持ってきてくれました。
「合成は使わない。これは最初から決めたルール。合成を許しちゃうとなんでもありになっちゃうので」
秋山 思い浮かぶというより、もう性格上の問題ですね。“気になるか、気にならないか”みたいな。例えば街を歩いていて聞こえてくるBGMが気になるとか、妙な看板が気になるという経験ってありません?そういうことが子どもの時から異常なほど気になる性格だったんです。「このテレビ番組って地方のテレビ局が作ったんだろうな。だって変だしチープだもん」とかね(笑)。あとは人の行動も着る服も、行動パターンもすごく気になっちゃうんです。
秋山「クリエイターズ・ファイル」を始めてから、「あのキャラクターのモデルはあの人だよね?」と言われることが多々ありますけど、実はモデルはいないんです。下調べは一切しません。例えばファッション業界の重鎮を演じることになったら、「ファッション業界にいる人の服装ってだいたい黒ずくめだよな」とか「髪型はマッシュルーム系にする人が多いよな」とか、そういうイメージを全部合わせることでひとりのクリエイター像が完成するんです。
「洋楽評論家の去木アコが好き⁉それはうれしい!僕も大好きなので、ライブで絶対登場させようと思っていました」
秋山これまで演じてきたキャラクターを見返すと、ある程度のジャンルは網羅しているんですよね。犬もAIも、ミイラもやったし、クリエイターですらなくなっていますから(笑)。だからもう食べ物とか微生物もいけるかも。でもそう思えるようになったのはここまで続けてきたからなんですよね。最初から微生物なんてやってしまうと「いやいや、何やってるの?」と言われるでしょうし自分でも止めるんでしょうけど、100もやるとこっちのジャンルもありだな、というのが見えてくるんです。犬だって最初はまったくアイデアにも出ていなかったですし。でもいろいろ演じていくうちに、犬もいけちゃうようになるんです(笑)。
秋山仕上がりが好きなのはフロタイル土居ですね。今はカップケーキ店のオーナーで、過去にはおでこに描かれたお風呂のタイル模様が特徴の女子プロレスラーだった、という女性です。あれね、地毛なんですよ。ヘアアイロンで髪の毛をチリチリにした上で茶色のパウダーを振りかけてもらって完成。これはもうメイクさんの力作ですよね。きっとメイクさんもこれが一番好きなんじゃないかな。
秋山服は、衣装以外はすべて手作りなんです。フロタイル土居のコスチュームも、衣装さんがロックTシャツを改造して作ってくれたもの。お互いに楽しみながら完成したキャラクターでしたね。ちゃんと女子プロレスラーになっているなと感動しました。
「合わせ鏡でカリスマ双子インフルエンサーを演じたカマタマちゃんも好きです。鏡を使うって、禁断の手法ですよね(笑)」
秋山想像以上に反響がよかった、という意味では昭和の名力士・彩千丹ですかね。自分の体重が100キロを超えたことで、まだ挑戦していないものはなんだろうと思った時に、「これは力士だ」と。それを白黒に加工してもらって、かつらを付けただけ。何をしたというわけではないけど、マジで昭和の力士に見えましたよね。
秋山そうそう。表情ってすごく大事なんです。芸人の顔をしてウケようとすると、それはそれでまた違ってくるんですよ。
「動画では、間を多めに取るとか突っ込みどころをあえて作るんです。誰も気付かないと思いきや、みんなちゃんとわかってくれるんですよね」
秋山トップアスリートの母親を演じた柿本千佐子も反響が大きかったですね。この動画を公開したのは、ちょうど東京オリンピックの開催時期。それもあってかすぐに100万再生されたんです。アスリートの母親特集だと勘違い人もいたのかな。そこに紛れこんだみたい。儲け物でした(笑)。
彩千丹も、相撲ファンがけっこう見てくれたようです。相撲の動画をよく見ている方たちの「おすすめ」に出てきたみたいで。そうやって本業の方たちの領域に紛れ込ますのが得意なのかもしれないです。
「動画のコメント欄はいつも見ています。クリエイターが実在しているかのようにコメントしてくれるのがおもしろいですよね」
秋山そうですね。自分がやりたいと思ったクリエイターは全員登場させようと思っています。
秋山今、芸能事務所の社長のような不思議な気持ちです。このクリエイターもこのクリエイターも、こっちのクリエイターも登場させてあげたいなとか、この2人が同時にステージに登場したらおもしろいなとか考えています。でも冷静に考えたら自分一人ですから。そこはどうしましょうね。ただ、すごい量の衣装とカツラを発注したことだけはお伝えしておきますね。
「ライブでは映像を使った演出もできるし、なんなら影武者も使えるかも(笑)」
秋山もちろんです! YOKO FUCHIGAMIはそりゃあもうファッショナブルで最先端のおしゃれをステージで見せてくれますよ。ファッションショーがあったり、彼女の格言が登場する場面もあったりするんじゃないのかな。それから、これまでアップしてきた動画の中で低評価が一番多かったキャラクターもやろうと思っています。人気のキャラクターだけやってもねえ(笑)。
秋山それもあると思いますよ。今回、このライブツアーのテーマソングを用意したのですが、曲を作ったのは国松ちえりという失踪しがちなミュージシャン。このテーマソングを大人数で歌います。もうめちゃくちゃ大変でしたけどね(笑)。ひと言でいうと、“地球を救う系”の曲です。
「フィギュアスケートコーチのドミトリー・ポコスタンチ。彼は神経質で埃は全部取らないと気が済まない、というイメージからつくりました」
秋山この際なんでもありだと思って、ツアー名も「クリエイターズ・ファイルEXPO」にしたんです。コントライブとも違うし、僕だけのライブでどうしようかなと悩んでいた時に、漠然とした内容のイベントによくありがちな“EXPO”を付ければいいんだと思って。昔からよく思っていたんですよ。「なんだよEXPOって」って。そんなこともあって、ここが使い時だと思いましたね。それにコンセプトが固まっていなくてもEXPOと言っておけば逃げ道にもなるし、何をやっても OK 。便利な言葉ですよね(笑)。
でも最近になって、勘違いしたクリエイターが会場に来るんじゃないかと心配になってきました。「クリエイターズ・ファイル EXPO」だなんて名前を付けたもんだから、本当にクリエイティブな人たちが集まる情報交換会だと思われるんじゃないかって…(笑)
秋山全国からクリエイターが集まって技術を見せ合うイベントじゃないですからね!普通のお笑いライブです!
ライブ当日は会場を早くから開放して、ロビーでグッズ販売やパネルの展示をするんです。相当な数のキャラクターを飾ろうと思っているので、公演前から楽しめると思いますよ。
「本当はツアーのタイトルに“お笑いライブ”と付けたかったんですけどね。クリエイティブ感が台無しになるからやめました(笑)」
秋山「クリエイターズ・ファイル」を知っている方はもちろん、僕を見て「こいつ、何やってるんだ?」と一度でもおもしろさを感じてくれた方にはすごく居心地のいい空間になると思っています。そしてこのライブは100キャラに到達するという今しかない勢いで実現できたので、もう二度目はないと思うんです。だから今回はぜひ多くの方に目撃してほしいですね。僕が7年間貯め込んだ趣味の発表会にぜひ来てください。
「笑う気満々で来てください。こちらも笑わせる気満々ですから」
【プロフィール】
秋山竜次(あきやま りゅうじ)
福岡県出身。1998年、東京NSC4期生の同期である山本 博、馬場裕之とお笑いトリオ・ロバートを結成。コント番組への出演や「キングオブコント2011」での優勝をはじめロバートとして活躍を続けるほか、秋山個人でも多くのお笑い番組に出演。2021年にはNetflixオリジナルシリーズ「クリエイターズ・ファイルGOLD」が全世界に向けて配信された。
撮影/呉島大介、取材・文/及川恵子
「100キャラ目前!ファン感謝の全国ライブツアー
ロバート秋山 presents クリエイターズ・ファイルEXPO
~あのトップクリエイターたちが今、ここに集結!~」
2022年10月9日(日)15:30開演
会場/東京エレクトロンホール宮城 大ホール
チケット料金/前売指定 5,000円
チケット詳細/FANYチケット、ローソンチケット、チケットぴあ
公演詳細/クリエイターズ・ファイル公式サイト
問合せ/FANYチケットお問合せダイアル
☎0570-550-100(10:00~19:00)
▼Twitter
https://twitter.com/creatorsfile
▼YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCJk8dZsM8SIGzIBJ-rDcB3Q
せんだいタウン情報 S-styleの非公認キャラクターとしてその名をほしいままにしてきた癒しロボ。これまで連載してきた4コママンガを振り返ってみたり、癒しロボが注目する情報などをお伝えしていきます。
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