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2022.03.25

【地震の被害を乗り越え】S-style47周年記念号 本日発売【仙台⇔新潟、その現場から】

3月16日に発生した福島県沖地震で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。書店・飲食店・大型施設等を含め、今まさに復旧作業に務められている方々、不便な思いを強いられている方々に、早期の復旧をお祈り申し上げます。

株式会社プレスアート(宮城県仙台市)が発行する月刊タウン情報誌『せんだいタウン情報S-style』。本日2022年3月25日をもって47周年を迎えるS-styleは、東日本大震災の際(2011年4月号を休刊)を除き、読者の皆さま・関係者の皆さまのおかげで定期的な刊行を続けてくることができました。

まさに47周年記念号となる2022年4月号は、3月16日、無事下版を終え、翌朝17日からいよいよ印刷にかかる段取りとなっていました。

そのさなかに起きた深夜の地震。印刷する会社が大きな被害を受け、S-styleの発行も一時、危ぶまれることとなりました。

こちらの記事では、どうやってS-styleが本日3月25日の発売日を無事迎えられたのか。関わったすべての方々に感謝の想いを込めて、その裏側と現場の声をお届けします。

3月16日深夜に発生した地震

3月16日深夜に発生した地震。

『せんだいタウン情報S-style』の印刷を行う、株式会社ユーメディア 印刷センターがある仙台市若林区六丁の目では震度5強を観測。地震発生時には夜勤スタッフが勤務中でした。

仙台市若林区六丁の目にある株式会社ユーメディア 印刷センター

証言:株式会社ユーメディア 印刷製造部・安部秀樹さん

「地震発生時、夜勤組が稼働していました。地震の大きな揺れを感じてすぐに印刷オペレータは機械をストップさせ、訓練が活かされていましたが、それでも機械のダメージが大きく、稼働できる状態ではないと判断。スタッフに帰宅指示を出しました」と話すのは、株式会社ユーメディア 印刷製造部・安部秀樹さん。

別棟のオフ輪工場の被害の様子

次の日の朝、安部さんたちは出勤し、改めて被害状況を確認。

本来S-styleの場合、印刷機は「枚葉印刷機」と「輪転印刷機」を使用します。16日深夜の時点で、枚葉で行う表紙の印刷はすでに完了。しかし、本文ページの印刷を予定していた輪転印刷機はダメージが大きく、安部さんは「稼働できない」と判断したそうです。

印刷センターの被害の様子

「というのも、印刷機は総重量20tほどもある大型機械。水平垂直に関しては、0.03mmくらいの誤差しか許されない、そのくらいの精度が問われるもの。今回は、機械を止めているアンカーが折れてしまい、機械が動いてしまった。これを直すには、油圧ジャッキを何個も使い、もう一回精度を出す作業が必要になります。これは今も作業員の確保待ちの状況です」(安部さん)。

輪転機に関しては、2011年の東日本大震災の時と同等の被害となっています。

輪転機を固定しているアンカーが折れてしまった様子

そんな状況の中、「なんとしてでも納期に間に合わせなければ」と考えた安部さん。地震から一夜経った17日午前の時点で、営業推進チームに外注先の交渉を依頼しました。

証言:株式会社ユーメディア 営業推進部/営業推進チーム・片岡 達哉さん

地震発生の翌朝、「印刷機が稼働できない、大至急外注対応を進めて欲しい」という安部さんからの連絡を受けたのは株式会社ユーメディア 営業推進部/営業推進チームの片岡さん。

すぐさま印刷外注先としてヘルプ要請をしたのは、事業協同組合「EPC-JAPAN」の連盟会社でした。「EPC-JAPAN」には北海道から九州まで15社が加盟。加盟会社は、災害等の緊急時に速やかに事業を復旧・継続できるよう、BCP(事業継続化計画)に関する協定を締結しています。

「何社かに相談したのち、新潟市江南区の『第一印刷所』で受け入れてもらえることになりました。“明日からなら印刷可能”との連絡を受け、次の課題は“明日までに新潟にどうやって紙を輸送するか”となりました。印刷用の紙はすでに若林区六丁の目の印刷センターにあり、それは移動できません。次月分の紙を在庫として持っていないか、なんとかして明日、新潟に入れられないか、と紙の業者に相談し、なんとかトラック運送で届けられることになりました」(片岡さん)。

本来より1日後ろ倒しの印刷開始。さらに場所は新潟とあって、製本に関しても担当会社に頼み込み、後ろ倒しのイレギュラー対応になったそうです。

新潟から刷り上がった本文ページが到着

製本の様子(1)

製本の様子(2)

そして21日、無事に製本された『せんだいタウン情報S-style2022年4月号』は仕分けの工程へ。

3月22日の納品から通常通りのオンスケジュールとなり、書店やコンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの店頭へ並ぶ段取りへと進んでいきました。

完成品を搬入!

なにかあった時は我々も力に

今回の出来事を踏まえ、お二人はこのように語ります。

「ネットワークを生かしてこういった対応ができるEPCのネットワークは素晴らしいし、災害対応が迅速にできることはすごいことだと思う。今後、他県でなにかあった時は当社がサポートする番です。東日本大震災の時もそうでしたが、今回もいい教訓になりました。そして、諦めない心で、動いてくださったみなさん、本当にありがとうございました」(安部さん)。

「EPCに属していて本当に良かったと感じています。第一印刷所さんも『自社の物件は土日とかを使って対応します。なんとしてでもS-styleを生産しますよ!』と言ってくださり、感動のあまり言葉が詰まりました。とにかく対応頂いて感謝しかありません。第一印刷所さんや、他の地域でなにかあった際には真っ先に助けたいと思います」(片岡さん)。

地震発生時から今日にいたるまで、多くの人の想いと努力に支えられ、無事読者の方々のお手元に届けることが叶った『せんだいタウン情報S-style2022年4月号』。

「いろいろな想いが詰まった今回の本ですので、ぜひお読みいただいて、仙台に足を運んでください」(株式会社ユーメディア 安部秀樹さん)

「印刷業界だけじゃなくて、ほかの業界も大変な想いをしている中だと思います。S-styleでは、楽しいおでかけ情報やおいしい飲食店等も紹介しているので、それを見ながらみんなで元気をつけられればと思います」(株式会社ユーメディア 片岡 達哉さん)

困難を乗り越え無事刷り上がった今回の周年号は、読者の皆さま、関係者の皆さまへの感謝の気持ちをよりいっそう強くするきっかけにもなりました。

最後に、せんだいタウン情報S-style編集長・五十嵐花奈のコメントを紹介します。

「コロナ禍が続く中、仙台で新生活を始める方はもちろん、長年住んでいる方に向けても地域の新たな魅力を伝えるべく制作した4月号。22日に雑誌が納品された時は、多くの人の力があってここに届いたんだなぁと感動しました。たくさんの方の知恵と連携、協力を経て今日の発売日を迎えることができたのはとても感慨深く、そんな1冊だからこそ、ひとりでも多くの方にお手に取っていただければと思っています」

せんだいタウン情報S-style編集長・五十嵐花奈

S-style編集部からも、関わってくださったみなさまに心より感謝を申し上げます。

48年目も、仙台・宮城に暮らす人々に新たなワクワクと発見をたくさん楽しんでいただけるよう、さまざまな発信をしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

★S-style2022年4月号「新・仙台案内」特集の詳細はこちらから

achiki
あちき

日刊S-style Web編集長。仙台生まれ仙台育ち。週1ジム通いの後にすする『そばの神田』が至福。コロナ禍以降は料理とお笑い、「ゼルダの伝説」に凝っています。