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2020.11.02

12月18日(金)先行公開『越年Lovers』峯田和伸さんインタビュー

皆さんこんにちは、S-style編集部のマタギです。本日は、CINEMAインタビューをお届けします。全国に先駆け、1218日(金)より山形・仙台で先行公開される映画『越年Lovers』。主演を務めた峯田和伸さんに、作品についてお話をお聞きしました!

岡本かの子原作.3つの恋心がくり広げる物語

©2019映画「越年」パートナーズ

いきなり男にビンタされたシャオラン、初恋の相手に会うために数十年ぶりに帰郷した寛一、亡き母の家を片付けるモーリー。日本、台湾、マレーシアの年越しの風景を舞台に、不器用な3組がくり広げる恋物語です。太陽の塔で有名な芸術家・岡本太郎の母としても知られる作家・岡本かの子の傑作小説を原作に、台湾出身のグオ・チェンディ監督が映像化。恋だけが人生じゃない。けれど、こんな恋があっても良いと思わせてくれるラブストーリーが詰まった作品です。

主演・峯田和伸さんに特別インタビュー!

山形・仙台で先行公開される映画『越年Lovers』。物語の舞台は、峯田さんの生まれ育った山形です。出演が決まった時の率直な感想をお聞かせください。

峯田さん地元・山形での撮影はしたことがなかったので、それが楽しみでした。自分が映っているというのももちろんうれしいですし、山形の街がどうやって映るのかが楽しみでした。さらに外国人監督が撮影するっていう点も良いなと思いましたね。外国の人の目に映る山形がどんなものなのか。台湾やマレーシアの恋物語に挟まれて、山形の街や風景がどんなふうに映されるのかと思って。東京では一面の雪景色なんて見られないので、子ども心ながらに雪景色を幻想的だと思った記憶がずっと心の中に残っているんですよね。東京にいても(その雪景色を)たまに思い出します。そういう風景が映像で残せたらいいなとずっと思っていたので完成が楽しみでした。

山形弁を使った演技はいかがでしたか?

峯田さんいや~やりやすかったです!ちょうど(『越年Lovers』の撮影と)同じ頃にNHK大河ドラマの撮影もしていて、江戸弁口調の方がとにかく難しかったので(笑)。マネージャーも山形出身なので、普段は山形弁で話しているんです。なので今回はナチュラルな自分で演技ができたと思います。

©2019映画「越年」パートナーズ

峯田さんが演じた主人公・寛一はどんな男だと感じましたか?

峯田さん最初はしみったれた男だと思いました。でも自分と重なる部分もあって、まったく違うとは感じませんでした。(演じる時は)自分と役の共通部分を引き出していければいいと思っていて。演じるにあたって、自分の中に存在する部分を見つける作業が大事だと考えているのですが、今回はその作業が特に早かったです。

では演技には入りやすかったですか?

峯田さんそうですね。東京に出てきてなかなか馴染めない部分なんかは自分と似ていて、寛一に共感を覚えました。

©2019映画「越年」パートナーズ

同じく山形ご出身の橋本マナミさんとは初共演でした。共演してみていかがでしたか?

峯田さん事前のリハーサルもなく撮影の日に初めてお会いしたんです。ですがお互いに山形出身ですし、カメラが回っている時も回っていない時も山形弁でお話できて、本当に山形の親戚、昔からの顔馴染みという感覚で撮影に臨めました。
なので演技もスムーズでした。橋本さんはテレビで見ているイメージそのまま。まったく気取らず、東京にいても山形のことを忘れていなくて、とてもやりやすかったです。
休憩中には、「ここのセリフ、山形弁ではどんなイントネーションだっけ?」など、同郷ならではの会話もできましたし(笑)。

劇中にはとっても美しい銀世界のシーンがありましたが、豪雪の中の撮影はいかがでしたか?

峯田さん記憶がないくらい寒かったです(笑)。台湾人のスタッフの皆さんも生まれて初めて雪を見たみたいで。ましてや初めての雪景色が、樹氷が立つくらい雪深いところでとっても驚いていました。
僕自身はなんとかその日の撮影は乗り越えられたんですけど、次の日東京に戻ってライブがあったんです。そしたら疲労で頭がおかしくなっていて(笑)。何度も歌詞を飛ばしてしまって大変でした。撮影時の気温は氷点下。撮影もパーッと行ってスピーディにやりきりました。ロケ地として場所を貸してくださった地元の方が、コーヒーやあったかい汁ものを出してくれてとっても助かりました。

今作のメガホンを取ったのは台湾ご出身のグオ・チェンディ監督です。外国人監督ならではの演出などはありましたか?

峯田さん話す言葉は中国語ですけど、“日本だったらこうなのに”などの違和感はまったくありませんでした。言語が違うだけで、グオ・チェンディ監督とも気持ちで通じ合える感覚がありました。とにかく良い映画を撮ろうという気持ちは一緒だったので、心の底から通じ合えている感じでしたね。僕からのアイディアも取り入れてくださったりしてありがたかったです。

逆に監督をはじめ、スタッフの皆さんが日本での撮影で驚いていることはありましたか?

峯田さんやはり雪の中での撮影ですね。道が凍っていること自体も子どものように驚いていました(笑)

雪にはまった車を動かすシーンでは上着について「エレカシのライブに着ていった」と言うようなセリフがあり、写真館の場面ではギターを弾く演技がありました。それらは峯田さんのアドリブか、もしくは監督とのやりとりの中で生まれたのでしょうか?

峯田さん日本人のプロデューサーさんに、撮影に入る前の台本を確認する段階で、好きなアーティストを聞かれたんです。そこでエレカシと答えたことが反映されたんです。そういう細かいアイディアを、ちょこちょこ台本に取り込んでいただきました。
例えば車を動かすためにズボンを脱ぐシーンは、監督と「ここは笑えるシーンになっていいのか?」と細かく相談して。結局脱いだ方がおもしろいよねとなり実現しました。

それではギターを弾くシーンは峯田さんだから生まれた演技だったのでしょうか?

峯田さんギターのシーンは元々台本に書かれていたのですが、曲自体は決まっていなくて。なので自由に弾かせていただきました(笑)。

地元・山形の皆さんも作品に出演しています。休憩中にお話しする機会はありましたか?

峯田さん僕、結構お喋りなので準備中などにたくさん世間話ができました。特に写真館のおじさんがとても素敵で。地元の方という雰囲気がしっかり出ていました。

©2019映画「越年」パートナーズ

今作は3つの恋物語を描いたオムニバス映画です。ほかのストーリーを観ていかがでしたか?

峯田さん台本では読んでいたので想像をしていましたが、山形パートとほかの2つはまったく違う雰囲気でした。むしろ山形パートが異国・ヨーロッパのように見えて不思議でしたね。オール山形ロケだったら、東北・山形の映画になるんだろうけど、ほかの2か国に挟まれているおかげで、普通の山形に見えないというか。異国の雰囲気が強調されているように感じました。第一章の主人公のヤオ・アイニンさんは、実はずっと銀杏BOYZのCDジャケットに登場してもらっていた方なんです。映画作品の中で共演できるとは思っていなかったので、それもうれしかったですね。

©2019映画「越年」パートナーズ

全編を通して特に印象的だったシーンはありますか?

峯田さん第一章の冒頭、主人公が男性にビンタされるシーンです。とっても迫力があってよかったですね(笑)

今だからこそ感じる東北・山形の魅力はどんなところだと思いますか?

峯田さんもしも音楽の仕事をしていなかったら地元で暮らしていたかもしれません。暮らしていた当時は「何もない街で嫌だな」と思っていたんですが、何でも揃う東京に住んでみると山形の魅力に気づくことができました。今の山形や仙台には、何もないところに何かを作り出そうとしている若い人がたくさんいます。東京では生まれない東北ならではの文化があると思うので、自分が暮らしていた25年前の山形ともまた違った進化をしているのではないかと思います。

それでは最後にS-style読者に向けて、作品の見どころをお聞かせください!

峯田さん東北の田舎の景色を綺麗に映してくれる外国映画はなかなかないので、普段自分たちが生活している場所を映像で観るとこんなに綺麗なんだと思うはずです。山形の匂いがスクリーンから感じられるはずです。そういう作品は貴重だと思うのでぜひ観て欲しいです。

今回のインタビューはテレビ画面を繋いで、リモートで行われました。「いつか直接お会いできる日を心待ちにしています!」と編集部が伝えると、「萩の月が大好きで!できるだけ早く仙台にも遊びに行きたいです!」とうれしい言葉を返してくれました!

『越年Lovers』
1218日(金)山形・仙台先行公開 、115日(金)新宿バルト9他全国ロードショー
上映館/フォーラム仙台
http://etsunen.com/

11月13日(金)『越年Lovers』舞台挨拶付き上映開催
『フォーラム仙台』にて、舞台挨拶付き上映会開催が決定しました!主演・峯田和伸さんが登壇予定の上映会です。詳細は劇場ホームページをチェックしてみてくださいね!

https://forum-movie.net/sendai/

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マタギ

趣味は山登り。山頂でコーヒーを飲み、下山後は銭湯に直行、ラーメンを食べて帰るのが理想の休日。最近は「Netflix」「Amazon Prime Video」「U-NEXT」を使いわけて、ドラマ・映画鑑賞の沼から抜け出せないでいる。