こんにちは、編集部はまじです。皆さん突然ですが、劇作家・シェイクスピアの傑作『リア王』はご存じでしょうか。『ハムレット』『オセロー』『マクベス』と並び、”シェイクスピアの四台悲劇”と言われる作品です。この夏、仙台在住の俳優・演出家の渡部ギュウが『リア王』に挑みます。
イギリスの劇作家シェイクスピアの悲劇(5幕)。1605年頃執筆。古代ブリテン(2000年ぐらい前のイギリス)が舞台。リアは 80歳をこえ、国を3人の娘に分配する決意をする。長女ゴネリルと次女リーガンは言葉巧みに父への愛を表明するが、末娘コーディリアは控え目に答えるだけである。怒ったリアは2人の姉娘に領土を与え、末娘を勘当する。しかし姉娘たちはリアを虐待し、狂乱した彼は嵐の荒野をさまよう。
一方、フランス王と結婚したコーディリアはこれを知り、軍を起して父を救おうとするが、逆に捕えられて殺される。人間の権力への過信、忘恩、正気と狂気、仮象と真実などの問題が、主筋と副筋との緊密な交錯のなかで展開される壮大な物語。
物語の主筋は、リア王と3人の娘たちとの「愛情ゲーム」と「領地の分割」の話。リアには息子がおらず、妻にも先立たれている。リアは娘たちを誰一人として「嫁になんか出したくない」のだ。お婿さんを探して、リア家直系の王国を堅持したいらしい(ギュウ勝手な解釈)。
ところが長女と次女は王座を離れたリアを虐待。まさに“親捨て”。あくどい嘘と裏切り。彼女らの行動は、今の特権階級の世継ぎ問題にも見えて来る。このひどい長女、次女は、リアの家臣グロスターの次男(妾の子)エドマンドによる色仕掛けで、その権力闘争に拍車がかかるというサスペンス仕立て。飛び交う密使、激しい暴行。この副筋もかなり現代的です。
そして両目を潰されたグロスターが、実の子エドガーと荒野で再会して和解する親子の人情劇。その他にも変装したリアの家臣ケントの奮闘。リアの影法師的存在の道化(阿呆)の戯言と不可解な死。リアの三女コーディリアとの死別—―などなど、ドラマチックなシーンがびっしり詰まっている。
さらには、今回最大の見どころとして、原作にはない民衆「貧民たち」の登場だ!この物語をしっかりと現代に繋ぎます。
幕切れでは独裁からの脱却、民主の力の再確認を強いメッセージで提示します。
俳優ならば誰もが自身の年齢に合わせて挑戦したいのがシェイクスピアの“4大悲劇”だろう。20代で「ハムレット」、30代で「マクベス」、40代ならば「オセロ」、そして、壮大なスケールで描かれた「リア王」に、わたしはいつ挑戦すべきか!情念の演劇が好きだ。ギリシャ悲劇やシェイクスピア作品などの古典劇にはマグマのような人間の情念が溢れている。そして、激しい葛藤がそこにある。
3年前に「権力への抵抗」を命題とした「ハムレット」を、現代的にリライトして“引きこもりのハムレット”なるものを、宮島春彦氏と構想した。脂ののった原西忠佑君がハムレットをグダグダと演じたら、おもしろいんじゃないか…。ところが、昨今の大国と言われている国々のドタバタ、独裁者の君臨、新型コロナと激闘、古き日本の政治、その世代交代の意義等々、より現代性を孕む「リア王」に興味が移った。(原西君ごめん。ハムレットはいずれやりましょう!)
今回の命題は、この『リア王』を古典劇ではなく現代演劇として上演しようとするものだ。
台本製作にまる一年以上を費やしていただいた宮島春彦氏の情熱!原文を尊重しつつ、相当リライトされて、新しい作品として生まれ変わっています。
2022年の夏、この作品に仙台演劇界あげて取り組み、上演を成功さることで、宮島春彦氏への仙台からの返歌としたい。
――こんな強い覚悟で今回の上演を決めた。
総指揮・渡部ギュウのもと、在仙俳優たちが挑むシェイクスピアの傑作『リア王』。古典を現代劇として上演する意欲作、その迫力をぜひ体感してください。
『リア王~KING LEAR~』詳細
公演日/8月3日(水)18:00~、4日(木)18:00~、5日(金)13:00~、18:00~、6日(土)13:00~18:00~、7日(日)11:00~、16:00~
会場/エルパーク仙台ギャラリーホール(仙台市青葉区一番町4-11-1)
料金/一般4,000円、学生2,000円、※当日各+500円
問い/東北えびす
電話/022-397-7662
Map
小学2年の息子を追いかけながら、日々せっせと働くワーキングマザー。「せんだいタウン情報S-style」第18代目編集長やってます。BTSが好きすぎて、やたらと韓国料理ばかり作っているただのARMY。
2022.9.2
グルメ, 青葉区, 若林区, 太白区, 泉区
2022.6.10
グルメ, ランチ
2020.11.26
ラーメン, 青葉区, 宮城野区, 若林区, 太白区, 泉区
2023.10.18
グルメ, 青葉区, 太白区, 亘理町
2023.3.5
グルメ, ランチ