SNS

2020.05.27

17人の人生のレシピを集めたZINE「recipe for LIFE」が話題に【発起人インタビュー】

こんにちは、S-style編集部のあちきです。今日は仙台の人気蕎麦店『imosen』の店主が仕掛ける話題のZINEをご紹介します。

recipe for LIFE 17人の人生のレシピ

私たちが日ごろから愛してやまない仙台の飲食店は現在、コロナ危機に直面しています。そんな中、一番町4丁目にある蕎麦店『imosen』の店主・會澤さんが発起人となりスタートしたのが『recipe for LIFE 17人の人生のレシピ』です。このZINE(自主制作本)は、仙台の人気飲食店と個人、あわせて17人が自慢のレシピを持ち寄った、28ページに及ぶ一冊。「飲食店として、ワクワクするものをお客さまに届けたい」。そんな気持ちが詰まったこの本が話題となっています。今日は、発起人の會澤さんのインタビューをお届けします。

5月16日発行『recipe for LIFE 17人の人生のレシピ』(1,000円税込)

このZINEの着想はどうやって得たのでしょうか。

會澤さん新型コロナウィルスが国内でも話題になりはじめた2月中旬くらい、これは“ヤバいのではないか”という感覚が芽生えました。「今は営業できているけれど、今後はどうなっていくんだろう」と。徐々に飲食店の知り合いの間でも、“補償はどうなるんだ”“営業は大丈夫なのだろうか”という話題が多くなり、「これを乗り越えるなにかを作りたい」と考えるように。
日頃から自分は「飲食店はエンターテイナーであり、アイディアマンである」と考えています。せっかくならば、自宅で過ごしている皆さんが楽しくなれるようなことをして事業を継続していきたいと考えたんです。
普段であればもちろん“料理”ですが、今ならなにができるだろうと考えた時、僕らのレシピには価値があるということに気づきました。そしてそれを、一冊の本にして価値を作りたいと考えたんです。

『imosen』店主・會澤健太さん(S-style2019年8月号掲載。撮影/齋藤太一)

そこからはどのようにプロジェクトを進めたんでしょうか。

會澤さんまずはレシピを公開してくれる仲間を探しました。普段から関わりがあって、僕自身、彼らの料理が大好きな仲間たちを。そして、いつも前向きで、困難に立ち向かう気骨のある仲間を。それから、構成・編集・イラストも力を貸してくれる仲間に出会いました。

「レシピ」というのは、飲食店にとっては命とも言えるものですよね。公開に対して反対意見などはなかったのでしょうか。

會澤さん僕の想いを受け取ってくれたのか、みなさん快諾いただけました。もちろん、大げさに言えば飲食店にとっては“手の内を明かす”ことでもあります。でも、今を乗り越えたいという強い想いが皆にあったということだと感じています。

シンプルな構成で“コミュニケーションツール”を目指す

一般的な料理本にはなかなかない、文章とイラストのみで構成されたレシピ紹介。1ページにつき1つのレシピが掲載してあり、紹介者は仙台でも人気の飲食店が名を連ねています。

  • Blaise(plantvineyards)Triple B
  • ツバメ.フードの赤い野菜とリンゴのサラダ
  • imosenの朝肉うどん
  • 登喜和のそば屋の和風キーマカレー
  • uraのグリーンカレー焼きそば
  • GABUのクミン風味の鶏唐揚げ
  • わのわの簡単万能ユーリンチーソース
  • 酒趣の旨みたっぷり調味料 煎り酒
  • 秋山さんのレモンカード
  • Chabashiraの深蒸し煎茶のアイスティーandバニラアイスのトッピング
  • ちょーちょのあの人が大好きなポテトサラダ
  • こうぞうの海老と雲丹のなめろう
  • 浮世バナレの謹製 塩辛納豆チャーハン
  • サルメリアのサルティンボッカ
  • ブドウのドゥフィノワ
  • コネクトの豆乳クリームの冷製カルボナーラ風
  • SENDAI COFFEE STANDのニューヨークチーズケーキ

料理本だけど、写真はなくてイラストと文字だけという構成が珍しいですね。

會澤さん実はレシピそのものも、紹介者が書いた文をそのまま掲載しているんです。最初は表記を揃えたり手直ししたりしようと考えていたのですが、あえて直さない方がいいと判断しました。その人の人柄や性格もレシピに反映されているんですよ。たとえばBlaiseはベーグルの焼き加減を“ゴールドになるまで”と表現したり、秋山さんは穏やかな人柄がレシピにも表れていたり。そんなところも含めて、読み物としても楽しんでもらえると思います。

『居酒屋ちょーちょ』の人気メニュー「ポテトサラダ」のレシピページ。TOMOMI_Typeさんが書き下ろしたイラストや題字もぬくもりたっぷりです

写真が載っていない分、作る時の楽しさも大きいですね。

會澤さんそうなんです。お店の料理写真をインターネットで検索して答え合わせをしたり…、わからないことがある人は、お店のInstagramでレシピに関する質問も受け付けています。コロナウィルスの状況が落ち着いたらまたお店に食べに行って、自分でももう一度作ってみるというのもいいかもしれません。一度料理を作っただけじゃ終わらず、何度もチャレンジしてみたいと思えたり、何度でもできた時のワクワクを楽しんでもらいたいと考えています。お店とお客さまをつなぐコミュニケーションツールであってほしいと思います。

掲載店舗と一部書店にて販売中!

クラウドファンディングで募った資金をもとに制作されたこちらのZINE516日に発行され、早くも話題に。思った以上の反響があり現在第3刷目に入っているとのこと。各掲載店のほか、『あゆみBOOKS 仙台一番町店』や『八文字屋書店 SELVA店』でも取り扱いがスタートし、予約販売も受け付けているそうです。好評のため本そのものが売り切れてしまう可能性もあるため、気になっている人は早めにゲットするのがおすすめです。

「こんなに注目していただけるとは思いませんでした。自分でも思っていないメッセージや前向きな感想をいただき、とても励みになります」と語る會澤さん。「17の参加店に日頃から通っている、ファンの皆様からの支援の想いも受け取りましたし、県内外を問わず“コロナが明けたら絶対に行きたい!”という新たなお客さまの反応もあり。ワクワクさせたい、楽しそうだなと感じてほしい。そんな気持ちで作った一冊なので、温かい感想がとてもうれしいです」と話してくれました。

recipe for LIFE 17人の人生のレシピ
発売日/2020 年 5 月 16日
販売価格/1,000 円(税込)
判型/B6
ページ数/28 ページ
カラー/白黒
販売場所/参加店舗の店頭販売、あゆみBOOKS 仙台一番町店、八文字屋書店 SELVA
題字・イラスト/TOMOMI_Type
Instagram/@recipe_4life

ZINEの収益は17人に分配されるので、ZINEを購入ことで大好きな飲食店を応援することにもなり、また貴重なレシピを家で楽しむチャンスでもあります。ぜひ皆さんも「17人の人生のレシピ」を自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか。

編集部あちきも早速、「ちょーちょのあの人が大好きなポテトサラダ」を作ってみました。“海水よりちょっと薄いくらいの塩気に”など、表現がちょーちょさんらしくて面白い!次回はもっとうまく作れるよう、再チャレンジしたいと考えております。

作りながら手順を追うごとに「こんなに手間がかかっていたんだなぁ」と、お店のおいしさの秘密にハッとさせられました。読んで楽しい、作って楽しい、食べて楽しい一冊です

achiki
あちき

仙台生まれ仙台育ち。2021年から日刊S-style Webの編集長になりました。三角食べが特技。コロナ禍以降は料理とお笑い、「ゼルダの伝説」に凝っています。FUJIFILM X-T100を相棒に写真も練習中。