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2020.07.09

30年のプロが選ぶ「いまオススメの本」

本売る人に会いに

毎月一人の書店員さんに会いに行くコーナー『本売る人に会いに』。
書店員さんに“今おすすめしたい本”を紹介してもらいながら、その本に対する想いをひも解きます。

S-style8月号でお邪魔したのは『宮脇書店 柴田店』。
書店員歴30年を超える、渡辺店長に話を伺いました。

 

1冊目:変なおじさん【完全版】

変なおじさん【完全版】 (志村けん/新潮文庫/737円)

オススメ本1冊目は『変なおじさん【完全版】』。
志村けんさんの芸人としての人生を振り返る自伝。

「“人を笑わせること”は、緻密な計算と努力の上ではじめて成り立つもの。志村さんの笑いに対する思いや哲学に触れられる名著です」
「志村さんの笑いに向き合う姿勢は、仕事をするすべて人の参考になると思いますよ」と渡辺さん。

「笑いを真面目に追求するストイックさを感じさせる内容ながら、照れたような文章で表現されているのが志村さんらしい。文章から滲み出る志村さんの温かい人柄も見どころです」と微笑む。

 

2冊目:鐘を鳴らす子供たち

鐘を鳴らす子供たち (古内一絵/小峰書店/1,760円)

オススメ本2冊目は『鐘を鳴らす子供たち』。
戦後間もない昭和22年、当時の戦災孤児たちを描いたラジオドラマ『鐘が鳴る丘』をモチーフに書かれた小説。

「戦争を背景に、子供たちの成長や友情を丁寧に描写した作品。後半に見せ場を持ってくるのがうまくて、物語にグイグイ引き込まれます。感動する作品を読みたい人にオススメです」

なお、ラジオドラマのテーマソングの作曲者・古関裕而は、朝ドラ『エール』の主人公のモデルとなった人物。『エール』の視聴者にも興味深い作品となっています。

 

S-style8月号

1ヶ月に30〜40冊の本を読むという渡辺さん。

その読書量を裏付けする見事な言葉の表現をお持ちで、インタビューはとても楽しかったです。
読書量もさることながら、仕事に対する姿勢などから、渡辺さんに“一流の書店員”の風格を感じました。

7月22日発売・495円

S-style8月号では、渡辺さんの30年以上の書店員キャリアについての話も伺いました。
コチラ(Amazon)からご購入いただけます

ichibo
ナポリ

休日は専らゲーム実況やYoutubeを見漁るインドア系編集スタッフ。本誌コーナーは「大型店info.」「宮城の観光特派員」などを担当。