『SENDAI座☆プロジェクト』が手掛ける幾多ある作品の中でも、ひと際人気の高い「十二人の怒れる男」が4年振りに再演される。SENDAI座の中心人物の一人、樋渡は「20代の頃、蜷川幸雄先生の演出で初めて観た時、イスから転げ落ちるほど感動したのを覚えています」と作品との出会いを振り返る。SENDAI座としては’11年の初演以降、今年が3度目。回を重ねるごとに客席を沸かせ、ファンを増やしてきた「十二人の怒れる男」とはどんな舞台なのか。4人の出演者に話を聞いた。
「劣悪な環境で育ち、非行歴もある16歳の少年が、父親殺しの殺人罪に問われている。彼が有罪なのか、それとも無罪なのかを決める陪審員の男たちの話です。物的証拠や目撃証言もあり、誰もが有罪を疑わなかった中で、一人の男が“どうも疑問があるから有罪とは思えない”と言い始める。そこからディスカッションの末にある結論に達する、というストーリーです」(樋渡)。手に汗握る展開の公演中、場面は一切転換せず、ひたすら陪審員室の様子だけが映し出される。顔も名前も知らない、振り分けられた番号でやり取りを繰り広げる個性豊かなキャラクターを演じるのは、実力派俳優の面々だ。「小さな運送業を営む3号は、負けず嫌いで目立ちたがり屋。無罪を主張する人間に、はじめから噛みつきます。自分の息子との関係が悪いという背景もあって、容疑者の少年と息子を重ね合わせたりして。とても人間臭いキャラクターですね」(渡部)。「株のブローカーをやっている4号は、客観的に物事を見るタイプ。感情ではなく、理論で物事を考えます。心情的には少年を無罪にしてあげたいけど、この状況じゃ無理でしょ? という考えを最後まで貫けるのか、注目してほしいです」(戸石)。「スラム出身の10号を演じています。とても偏見に満ちていて、自分が思っているイメージ以外は一切受け付けない。攻撃的な言葉を吐き続ける奴です」(飯沼)。そんな“有罪派”多数の中、ただ一人無罪を主張する男を演じるのは樋渡。「職業が建築家の8号は、裁判官の話を聞いている内に、どうも腑に落ちない点がいくつかあると。確かに有力な証拠はあるけれど、有罪と言い切るには材料が足りないのでは、というところから物議を醸していきます。そこから皆で話し合いを進める中で、別な視点から新たな疑問が湧いてきたり。8号の主張に同調する人も出てきて、刻々と状況が変化していきます」と、重要な役どころを語る。
’50年代を代表するハリウッド映画の名作であり、法廷劇の傑作として今なお多くのファンを魅了し続けるストーリー。その作品を“舞台”で観られるおもしろさ。「物語の序盤は、皆さん背もたれに寄りかかりながら見ています。その姿勢が、どんどん前のめりになっていくんです。その位臨場感のある作品だと思います。“生”で観る作品の中でも最高の部類に入るストーリーだと思うので、ぜひ多くの方に見て頂きたいです」(樋渡)。会場は、「陪審員室」を囲むように客席が配置される。一度のみならず、二度、三度と異なる視点から12人の男たちの移り行く表情に注目し、結末を見守るのもいいかもしれない。
撮影/山口 晃
前回公演時は、陪審員6号の電気屋役を演じた飯沼さん。義理人情に厚いキャラクターで、女性ファンがグッと増えたそう。そんな飯沼さんが、今作では打って変わって偏見丸出しの嫌われ役・10号を演じます。樋渡さん曰く「お客さん全員を敵に回すと思いますよ(笑)。普段柔和なヌマ(飯沼さん)の悪役ぶりにぜひご期待ください!」とニヤリ。飯沼さんファンの方もそうでない方も、要チェックですね!
【公演情報】
『十二人の怒れる男』
8/29(水)~9/2(日)
会場/エル・パーク仙台ギャラリーホール
料金/一般¥4,500、シニア(65歳以上)¥3,500、U24¥2,500
問い/SENDAI座プロジェクト☎090-3006-1004
小学2年の息子を追いかけながら、日々せっせと働くワーキングマザー。「せんだいタウン情報S-style」第18代目編集長やってます。BTSが好きすぎて、やたらと韓国料理ばかり作っているただのARMY。
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