みなさんこんにちは、S-style編集部きってのジャズ好き、そして『BLUE GIANT』大ファンの鮫島です。
2月17日、ついに公開したアニメーション映画『BLUE GIANT』。みなさんはもうご覧になられましたか?
世界一のジャズプレーヤーを目指して仙台から旅立ち、やがて世界を股にかけて奮闘する主人公・宮本 大。その成長を支える魅力的な人々との出会いと別れをエモーショナルに描き、多くの人の心を揺さぶる大人気漫画『BLUE GAINT』。コミックはシリーズ累計売上900万部を超え、現在も『ビッグコミック』(小学館)にて『BLUE GIANT EXPLORER』が好評連載中。そんな本作の原点である物語のアニメーション映画化が決まり、多くのファンがこう思ったのではないでしょうか? 「大や玉田、雪祈(ゆきのり)はどのような声で話し、どのように動き、どんな音を奏でるのか」。
これまで漫画を読んで想像を広げていた3人の演奏を実際に体験できる、ファン待望の映画『BLUE GIANT』。その公開を記念して、舞台挨拶で来仙した原作者・石塚真一先生へのインタビューが実現。原作者視点で映画化の秘話や作品の見どころ、そして宮本 大の出身地である仙台への思いを語っていただきました。
ーー圧倒的な画力で魅せる演奏シーンやプロミュージシャンも唸るライブシーンの細かい描写など、“音が聞こえてくる漫画”として定評のある『BLUE GIANT』。多くのファンが映像化を期待していたと思いますが、映画化はどれくらい前から構想されていたのでしょうか?
石塚 もともと連載を始めたときは、映像化は考えていなかったんです。ちょうど最初のシリーズが完結する頃、ありがたいことにいくつか映像化のオファーをいただいて、そこから映像ならどんな作品にするかを考え始めました。
ーー石塚先生の代表作のひとつである『岳 みんなの山』は実写で映画化されましたが、今回の『BLUE GIANT』をアニメーションで映画化したのには、何かこだわりがあったのでしょうか?
石塚 色々な映像化のオファーをいただいた時に、ストーリーディレクターのNUMBER8さんと「アニメが一番説得力のある表現ができるかも」と話していたんです。実写ですと演奏シーンなどを表現するのがすごく難しいですが、アニメーションなら音楽表現の自由度が増してより可能性が広がると思いました。そして何より映像化するなら映画館で迫力のある映像と音響で観て欲しいという思いが強かったので、アニメーション映画が一番ぴったりきたんです。
ーー実際に映画化するにあたり、石塚先生はどのように制作に関わられましたか?
石塚 僕はアニメーターの方に登場人物を描く時のポイントを共有するぐらいで、脚本はNUMBER8さん、音楽は上原ひろみさん、そして立川監督と信頼のおけるプロの方たちに作品制作をおまかせしていました。なので僕も製作過程の随所で立ち会わせてもらい、出来上がった音源を聞いたり、映像を観るたびに、ファンのように驚いたり、感動したりしていたんです。
ーー大や玉田、雪祈がどんな演奏をするのか、実際に聴けるのを心待ちにしていたファンが多かったと思います。石塚先生は出来上がった音楽を聴いてどんな感想を抱きましたか?
石塚 一番先に制作が始まったのが音楽でした。制作過程で上原ひろみさんがスタジオへ呼んでくださった時、大のサックスを担当した馬場智章さんに「もう少し長い音を入れて欲しい」と、素人ながらにリクエストさせていただいて。それで完成した曲を聞いた時は、自分が描きながら想像していた音を超えてきたと思いました。上原さんを中心にサックスを担当した馬場智章さん、ドラムを担当した石若 駿さんに『BULE GIANT』の核となる音作りで試行錯誤していただいたおかげで、まさに原作で宮本 大がこだわる“強い音”を作っていただきました。
ーー映画ではステージ上で動く宮本 大が観られるのもポイントだと思いますが、実際に映画を観たら想像以上に激しく動いていたのが印象的でした。
石塚 演奏シーンは本当によく動いていましたよね。その躍動感のある動きも若々しさを表現するためのアニメならではの見どころ。特に漫画ではサックスを吹く姿を描くのは意外とバリエーションが限られていて悩むところなのですが、映画では色々なアングルや自由な動きで大の演奏シーンが表現されていて、「さすが監督」と感心しっぱなしでした。
ーーそして豪華俳優陣によって吹き込まれた声も話題となっておりますが、石塚先生は3人の声を聞いて、どんな印象を受けましたか?
石塚 僕は今回声を担当された山田裕貴さん、間宮祥太朗さん、岡山天音さんの3人が、初めて声合わせをする日に立ち会わせていただいたんです。静止画に合わせて3人が声を吹き込んだ瞬間に、「そうそう!こんな声だよね」とすんなり受け入れられて、まったく違和感がなかったです。
ーー原作ファンはもちろん、この映画から『BLUE GIANT』を体験する人も多いと思います。そんなこれから作品を観る方たちへ、石塚先生が考える見どころを教えてください。
石塚 原作をまったく読んでいなくても構いませんので、多くの人に3人の若い男の子たちとの出会いを楽しんで欲しいですね。夢を叶えるためにひたむきに努力する3人の初々しい姿は、漫画を読んでいなくても、ジャズを聴いたことがなくても、グッとくるものがあると思います。
ーー『ビッグコミック』で現在連載中の『BULE GIANT EXPLORER』も今、熱い展開となっておりますが、映画とのリンク性も考えられていたのですか?
石塚 たまたまではあるのですが、今回の映画でも登場するあの重要なキャラクターが現在連載中の原作でも再登場する話が動き出しました。映画とも繋がってくるのでぜひ漫画も楽しんで欲しいですね。
ーー映画『BLUE GIANT』は、迫力のライブシーンや力強い演奏などジャズを体験するという点においても、すごく充実した内容ですよね。
石塚 やはり作品を通してジャズの魅力を体験してもらうというのは、連載当初からずっと掲げている大きなテーマ。特に若い人たちに「ジャズっていいよね」と思ってほしい。ジャズといっても色々なジャンルがありますが、『BLUE GIANT』で描かれるのは激しいジャズ。その大たちが奏でる熱いジャズを一つの入り口として、「ジャズってこういう音なんだ」と感じていただけたら嬉しいです。そのジャズの熱量を感じていただくのなら、ぜひ映画館の大きいスクリーンと大音量で体験して欲しいですね。
ーー仙台人としては、仙台から東京、そして世界へと羽ばたき奮闘する宮本 大の姿に特別な思い入れがあるファンも多いと思います。そんな仙台の熱き『BLUE GIANT』ファンと、これから映画『BLUE GIANT』を体験される方へメッセージをお願いします。
石塚 宮本 大と仙台のエピソードでいうと、以前『定禅寺ストリートジャズフェスティバル』を見に行ったとき、ライブを観ている人たちはみんなすごく真面目に演奏を聴いているのが印象的でした。その真摯にジャズと向き合っている姿は、大の生真面目で大らかな性格にも通じる部分があるんです。僕自身も仙台編に対する思い入れがとても強く、仙台で大切な青年時代を過ごした宮本 大が、世界一のプレーヤーを目指しているという確固たるバックグラウンドは、今も大を描くうえで大切な要素のひとつ。「どこの大ちゃんなの?」って聞かれたら、やはりいつまでも「仙台の大ちゃん」なんです。ぜひ映画でも漫画でも、そんな仙台出身の宮本 大の物語をこれからも温かく見守り続けていただけると嬉しいです。
映画は2023年2月17日から絶賛公開中。圧巻のアニメーションと音楽をぜひ劇場でお楽しみください。
映画『BLUE GIANT』
原作/石塚真一『BLUE GIANT』(小学館「ビックコミック」連載)
監督/立川 譲 脚本/NUMBER 8 音楽監修/上原ひろみ
声の出演/演奏 宮本 大 山田裕貴/馬場智章(サックス)、沢辺雪祈 間宮祥太朗/上原ひろみ(ピアノ)、玉田俊二 岡山天音/石若 駿(ドラム)
アニメーション制作/NUT 製作/映画「BLUE GIANT」製作委員会
配給/東宝映像事業部
【上映館】
TOHOシネマズ 仙台、MOVIX仙台、イオンシネマ新利府、109シネマズ富谷、イオンシネマ石巻、イオンシネマ名取
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S-styleでは主に広告記事の制作を担当。ジャズ、ウィスキー、キャンプと、ハードボイルドな趣味を生きがいに、イケオジを夢見て邁進中。
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