夏の全国高校野球選手権大会で初優勝した仙台育英学園高校の監督と選手が、本日午後仙台に凱旋。仙台育英学園高校宮城野校舎にて優勝報告会が行われました。
深紅の優勝旗を手に、大きな拍手で迎えられた監督・選手。
会場に集まった人々に向けて、応援への感謝の想いを述べました。
S-style編集部では、歓喜のムードに包まれた報告会会場に潜入。
監督、主将、応援団代表によるコメントを全文公開にてお届けします。
【佐藤悠斗主将コメント】
本日はこのような会を開いていただきありがとうございます。自分たち硬式野球部は第104回全国高等学校野球選手権大会で東北勢初の優勝を果たすことができました。ここまで来るのに色々な困難を乗り越えてここまでくることができましたが、その困難を乗り越えることができたのもここにいるみなさまのおかげでもあり、自分たちの努力もあり、本当にすべての人たちにご協力をいただいての今回の優勝だと思っております。
最後になりますが自分たちにとってここにいるすべてのみなさまにとって、東北のすべてのみなさまにとってこの夏の良い思い出になったことをすごくうれしく思います。本当にありがとうございました。
【須江 航 監督コメント】
改めまして本日は大変お忙しい中このようにお集まりいただいて、また生徒のみなさんは長期の滞在で疲労困憊だと思いますけども、一緒にこういう会に参加してもらって本当にありがとうございます。今キャプテンからちょっと堅苦しい挨拶があったので(笑)、ちょっと普通にみんなと話してみたいと思います。
応援の皆さん、どうでしたか甲子園は。あつかったですか。(会場拍手)
一回戦に出発したときに、まさかこんなに長く居ると思ってましたか。
多分宮城県のみなさんもですし、「自分たちが優勝するぞ」という目標を立て、それを信じてましたが、最後までいるというふうに具体的なイメージを描いていた人はあまりいないんじゃないかなと正直思います。でもそういうなかで、一戦一戦を「負けたらやだな」という気持ちじゃなく、「持ってるものを出し切るぞ」とか「一戦必勝だぞ」というふうに思わせてくれたのは、本当にみなさんのおかげなんです。吹奏楽部の音楽がちゃんと聞こえてる時が、監督もスクイズのサインをミスらなかったりするんですね(笑)。自分も集中しすぎてしまい音が聞こえてない時は周りが見えてなかったり…、球場の雰囲気って本当にあるので。球場が仙台育英の雰囲気だなとなっている時って、なにやってもうまくいくんですよね、不思議なもんで。
そういう雰囲気を作っているのって、チアリーディングの華やかさであったり、控えの選手がメガホンを叩いている音、声は出せなくても祈る想いであったり。そういうところで一体となって戦っているんです。そういうのが一戦ごとにどんどん大きくなって。学校以外の地域のみなさんの想いとか。どんどんどんどん膨らんでいきました。
準決勝を勝ち上がった時、僕にも2,000件くらいのメッセージがきて。「みんなで東北で一丸で勝ちましょう!」っていう雰囲気になりました。不思議なもので、決勝戦も選手たちが頼もしくて、宮城県大会の一回戦とほとんど変わらない雰囲気でやれました。まるで自分たちの真勝園グランドや、宮城県大会があった仙台市球場、石巻市民球場のような。そういうホームで戦えたような雰囲気があったんですね。
繰り返しになりますが、それって本当に応援のみなさんのおかげです。学校のみなさんが試合に集中しやすい環境を作っていただいて、当日みなさんのそういう雰囲気づくりや想いが繋がって、最終的に決勝戦にたどり着くことができました。
仙台育英高校としては、春もあわせて四度目の正直でした。東北地方としては十三度目の正直です。十三回目の挑戦で、しかも107年間の間です。それだけ難しいことをやったんだなという実感が、少しずつ選手にも沸いていると思います。繰り返しになりますが、その難しいことをやったのは決してここにいる18人のメンバーだけじゃなくて、控えの選手や学校のみなさん、吹奏楽部、チアリーダー、生徒会、みんなで成し遂げたことなんです。
だから僕たちが今日壇上に立ちこうやって祝ってもらっていますが、みんなで喜びを分かち合いたいなと思っています。本当に心強い応援をありがとうございました。
早いもので、2週間後には春の選抜の“負けたら終わってしまう”道のりが始まるわけです。長期滞在で疲れたとは思いますが、またなんとか皆であそこに立って、春も夏も戦えたらなと思ってますので、変わらず一緒に頑張れたらなと思っています。本当に今日はどうもありがとうございました。
今回私は初戦である2回戦から決勝まで、計14日間の応援に参加させていただきました。
私は今回、人生で初めて甲子園の試合を目の前で見ました。これまではテレビの前でちらっと見る程度だったので迫力はあまりわかりませんでした。しかし第2回戦のあった8月11日、いざ阪神甲子園球場に足を踏み入れてみると、その場にいなければわからないような迫力・緊張感に包まれました。
仙台育英の甲子園での5試合はすべて盛り上がるようなものでしたが、やはり一番感情が高ぶったのは、決勝の下関国際高校戦でした。下関国際高校は、決勝に進むまであの大阪桐蔭高校、近江高校を倒しており、自らが所属している高校にも関わらず「仙台育英が勝てるのだろうか」と不安になっていました。
しかし4回裏、先制点をあげたときには、「一歩優勝に近づいた」と安堵しました。しかし、試合もまだ序盤で、油断はできないと思いながら7回の裏、岩崎選手が打った球が観客席に落ちた時には鳥肌が立ちました。さすがに勝ったかと内心感じていましたが、9回表、スリーアウトで優勝という場面で、監督までもが下関国際高校の校歌に合わせて手を叩き、ヒットを打たれ、飲み込まれそうになった時には、逆転負けもありうるかもしれないと思いました。しかし最後まで気を抜かず優勝に導いてくれました。
優勝後の監督インタビューでもお話されていました通り、3年生の先輩方におかれましては、高校入学前から新型コロナウイルスの影響を受け、さまざまな困難を経験してきたことかと思います。野球部としての活動にも多くの制約があり、思うように練習ができないこともあったことでしょう。そんな状況でも目標である日本一に向け、さまざまな創意工夫を凝らし、日々努力をかさねてきたことが今回の結果に結びついたと思います。
硬式野球部の皆さんの活躍は、宮城県、東北、そして全国のみなさんに勇気と感動を与えてくださいました。私もその中のひとりです。そのあつい想いを胸に、自分自身も今後の学校生活において努力していきたいと思います。本当におめでとうございました。
仙台育英学園高校 野球部のみなさん、本当におめでとうございます。そして感動をありがとうございます。
せんだいタウン情報 S-styleの非公認キャラクターとしてその名をほしいままにしてきた癒しロボ。これまで連載してきた4コママンガを振り返ってみたり、癒しロボが注目する情報などをお伝えしていきます。
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