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2024.02.09

【体験レポ】地元の酒屋さんに教わる!角館・武家屋敷通りで秋田の日本酒を学ぶ体験!

秋田県内陸部のほぼ中央に位置する仙北市。約400年前から変わらない町割りの角館・武家屋敷通りに、酒どころ「秋田」の地酒を郷土料理のおつまみと共に味わい、新たな愉しみ方を学べる体験が誕生。

迎えてくれるのは武家屋敷通りに店を構える酒屋さん『樹の下や よしなり』の店主。日本酒にまつわる裏話や、初めての飲み方などをほろ酔い気分で教えていただきました!

秋田県仙北市角館町、江戸時代の情緒が残る武家屋敷通り

秋田県仙北市にある角館町(かくのだてまち)は、江戸時代の侍たちが暮らした町並みが今でも残ることから、「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。

シンボルは、道の両側に真っすぐ連なる黒塀と、京都風の情緒を添える約400本のシダレザクラ(そのうち162本が国の天然記念物に指定)。

そのルーツは、角館佐竹北家の2代目、義明(よしあき)の妻が京都三条西家から持ってきた嫁入り道具の桜の苗木。3本の苗木が元になり、長い年月を受け継がれ、今日まで残る「角館のシダレザクラ」になったと伝えられています。

長い歴史が守られてきた町ならではの、タイムスリップしたかのような空気。

毎年9月にはユネスコ無形文化遺産に登録されている「角館のおまつり」で大いに賑わい、祭り囃子の中、町内ごとに老若男女が曳山をひいてまわります。

この日は1月、雪景色の武家屋敷通り。会場である旧石黒(恵)家も雪をかぶり、冬晴れの空に一段と映えていました。

旧石黒(恵)家は、昭和10年に設計・建築されており、武家屋敷石黒家の分家にあたります。内部は、在来の和風住宅に洋風を加味した西洋間を加え、モダンな和洋折衷の造りが特徴

秋田の気候風土ならではの地酒を、地元生まれの酒屋さんから学ぶ体験

今回の体験の亭主である酒屋『樹の下や よしなり』、櫻田賢太郎さんは、地元角館生まれ・角館育ち。

ご実家も酒屋さんで多くのお酒に囲まれて育ち、角館と、お祭りと、秋田のお酒が大好きな生粋の角館人です。

体験当日は、角館に最も近い『鈴木酒造』、「秀よし」(大仙市)の前掛けをつけてお迎えしてくださいました。

穏やかで丁寧な話しぶりの櫻田さんから、まずは駆け付け一杯、小さなお猪口で熱燗のウェルカムドリンクのふるまい。外を歩いて冷えた体に、旨みがじんわりと染み入ります。

脚付き御膳でのセッティング。櫻田さんのご親戚の家で、結婚式等で使われていたものだそう

利き水クイズからスタート。酒蔵の仕込み水と水道水、どちらかわかるかな?

ウェルカムドリンクで場がほぐれたところで、講座のはじまり。

最初は日本酒全般にまつわる知識からで、お酒造りに大事な「水」「酒米」「麹」「酛(もと)」のお話から。

特に「水」は、「良い水の出るところに酒蔵あり。水の数だけお酒がある」と言われるほど、お酒の命ともいえるもの。水の硬度が高いと、芯のある辛口のお酒になりやすく、硬度が低ければ発酵が緩やかになり、口当たりのまろやかなお酒になりやすいのだとか。

ここで「利き水」クイズ。

実際にお酒を仕込む「仕込み水」と、水道から汲んだお水を当てるというもの…。挙手で回答したのですが、結果はハズレました。

ちょっと自信をなくしかけましたが、いえいえ、秋田のお水は元がおいしいのです!

分かりやすい図解が多い講座資料を基に、日本酒についてのお話を聞く。ぼんやりとしか知らなかったことがスッキリ。同時に、単純な指標やデータだけではくくれない奥深さ、人間の舌ので味わうことの個人差によることなども知りました

日本酒って懐が深い!愉しみ方は温度や酒器、おつまみ等で無限大に広がる。

秋田はその恵まれた地理気候によって、古くから米どころとして栄え、不作の年が少ない地域でした。

夏は高温多湿、冬は寒気が強く雑菌の繁殖を抑えられる、つまり発酵に適した環境です。

もともと地域ごとに豊富な食材があふれる土地で、北前船でもたらされた塩によって味噌や漬物、しょっつる(魚醤)など、米麹を利用した数多くの発酵食文化が花開きました。

清酒づくりも例外ではなく、秋田県にかほ市(鳥海山麓)には全国で3番目に古いと言われる1487年創業の「飛良泉」があります。
また、1726年には833軒もの酒蔵数を誇っていたと言われています(※出典:秋田美酒王国https://www.osake.or.jp/sake/140115.html)。

そんな秋田の地酒を4種類。それぞれの酒蔵の名前入りのお猪口で試飲させていただきながら、酒蔵やお酒の特徴を聞きます。

同じお酒を、最初は冷やのまま一杯。精米歩合、作り方などを聞いて噛みしめたあと、温度を変えたお燗にしてまた一杯。

最初の印象と、香りも旨みもふわっと変化して、全く別のもののようになるお酒も!

こんな飲み方は知らなかった。しかも、「旨いと感じる温度帯も、個人の好みによって変わります。家で少しずつ温度を変えながら、自分好みの温度を探すのも楽しいですね。また、大吟醸だからお燗は合わないという先入観によらず、試しに思いきって燗してみると、意外とおいしくなる酒もあるので、ぜひいろいろ探求してみて欲しいです」と、櫻田さんは仰っていました。

おつまみには地元の人達が食べているアテを詰め合わせた折詰箱。がっこ(秋田では漬物をこう呼ぶ)と日本酒って、最高に合う!

しっとり和風の空間で、和やかにお酒に親しみながらその奥深い世界を広げてもらった体験。

今日教えてもらった知識をもとに、これからどうやって愉しんでいこうか…。これからの日本酒ライフに期待が膨らむ1日でした。

ちなみにこの体験はJR東日本も協賛しており、特別ゲストを招いたスペシャル会の企画なども予定しているそう。

最新情報は『樹の下や よしなり』のSNSや、体験予約サイト「アソビュー」でチェックしてみてください!

この日のお酒は、出羽鶴、刈穂、秀よし。純米酒から大吟醸まで堪能させていただきました。

地元の酒屋さんに教わる!角館・武家屋敷通りで秋田の日本酒を学ぶ体験!
開催日/毎週土曜※実施しない日程もあり
※体験3日前までに要事前予約。予約はアソビューにて。事前決済のみ
会場/旧石黒(恵)家
住所/〒014-0334 秋田県仙北市角館町表町上丁1
料金/体験料6,600円
問合せ/樹の下や よしなり
☎0187-55-4133

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