こんにちは、編集部おげんです。
漫画家やイラストレーター、ミュージシャンなど幅広い分野で活躍するみうらじゅんさんが幼少期から収集してきた1万点を超えるコレクションを展示する「みうらじゅんFES マイブームの全貌展」が『TFUギャラリー ミニモリ 』で開催中。
今日は本展示で全国を巡回中のみうらじゅんさんにお話を伺ってきました。
撮影/戸澤直彦 取材・文/編集部
みうら難しい質問ですね(笑)。見に来てくれた人がどのような展示会だと思うか、そこなんですよ。でも一応、“マイブームの全貌展”という副題がついているのでそういうことなんですよね。展示品の中には“いやげ物”って呼んでいる貰っても嬉しくないお土産もあって、それを何十年もかかって集めてる無駄な努力をみなさんに呆れてもらう、そんな展覧会かな。見たらナニコレって思うでしょ?ちょっとパリコレに似てるしね(笑)。
みうらナニコレの次はパリコレですよね。呆れてもらえれば一番嬉しいなぁ。でもこういうことって、まだやってるの!っていうそこですよね。もうずっとやってるんですよこれ。飽きてないふりしてね(笑)。
全国を巡回中の本展示。仙台会場ではさらに展示物を増量して開催しているんだそう
みうら入口辺りに王冠をかぶった青いクジラの絵があると思うんですけど、あれが幼稚園の時で一番古いかもしれないです。夏休みの思い出みたいなテーマを言われて、水族館に行った思い出を描いたんだと思うんですけどね。でも、先生が水族館にクジラは居ないよって、嘘ついたらダメだよって、言われたんだけど、居たって言い張ったらしくて、ちょっと問題になっちゃったんですよ。それでうちのおふくろまで呼ばれて。でも「子どもの想像力を育てようとしてる時に、嘘だとか言うもんじゃない」って先生を逆に叱りつけて終わったんですよ(笑)。話も作品も、そのままだとうまいヘタってことになっちゃうでしょ?そこは盛って描いたつもりだったんでしょう。展覧会のコレクションも物量の多さで説得させているつもりなんです。ああいうものって1、2点持っていても全く意味をなさない。例えば、修学旅行に行った時に京都で木刀を買うみたいなことですよ。その時は調子に乗って木刀買ったけど、家に帰った時どうすんのって親に言われて、 最終的に捨てられてるみたいなことってあるけど、木刀も30本あれば面白いんじゃないかっていうようなね。
みうらそれでほら、ネーミングが要るから、“いやげ物”とか“ゆるキャラ”とかつけてあるんですよ。ゆるキャラのぬいぐるみとかも、まだ売ってない時代でしたから。
「名前がつけてあって、たくさんの物量を並べてあると、確かにこういう世界あるかもってつい、思うじゃないですか」とみうらさん
みうらあれは交渉して、譲って貰っていたんですよ。売っていないっていうことは、みんなのものではないでしょう。でも、それをみんなのもののように見せるにはどうしたらいいかと思って、“ ゆるキャラ”っていうネーミングをつけたんです。キャラクターっていうものは、キャラが立つっていう言葉があるように、しっかりしてないとダメなのに、あの方たちはもう本当にゆるくて。国民体育大会とか、ああいう時に数日間だけ出てくるキャラクターとか。その後のこと考えてないんだから、ゆるくて当然じゃないですかね。当時はまだ誰も知らないキャラクターだから、寄りついてないわけですよ。もう全然誰も知らないのに、子どもたちに握手を求めに行って、子供たちが逃げてる光景を見た時に、ちょっと 気の毒だなと思ったんです。でもキャラクターって言い張ってるから、それでゆるキャラっていう名前をつけたんですよ。
みうらはっきりさせたいんですよね。世の中って大雑把でしょ? 良いか悪いかとか、冷たいとか暑いとか。小さい頃から怪獣が好きで、仏像も好きになったから、やっぱり細部が気になるんですよ。よく「みうらさん大仏好きですよね」って言われたりするんだけど、よく考えてよと思うんですよね(笑)。大仏って大きい仏って書いてあるわけで、正確に言うと1丈6尺の仏像を丈六仏と言って、それ以上のものを大仏って呼んでいいわけで、だから仏像にも色々ある。でも興味ない人からしたら、多分高校の時に奈良に修学旅行に行って、大仏1体しか見てないんですよ。だから仏像はみんな大仏になっちゃう。でもそういう大雑把なことが嫌いなんですよ。もっと正確に捉えないとっていうのがすごいあります。
「すべてのことは、世間に対する疑問から始まってると思います」とみうらさん
みうら自分から出会うようにしてるからです。向こうからは一切来ないですから。ほら、よく定年してからやることないっていう人いるでしょ?そういう人は趣味が見つけられないっていうけども、それも大雑把な意見ですよ。趣味が見つけられないんじゃなくて、趣味は見つけるもんなんですから。無理やり引き寄せる。気にはなってたけどそんなに興味ないみたいなものも、こっちから引き寄せることで、好きになるしかないという状況を作るわけです。そこには自分洗脳が必要なんですけどね。僕、「ワニックブーム」(ワニブーム)っていうのがあるんですけど、そこで初めてラコステの店に入ったんです。もちろんゴルフも興味ないし、ラコステの服も興味なかったけど、ワニブームから当然ラコステに行くしかなくなって。展覧会でマネキン人形がラコステのトレーナーとか着ていると思うけど、あれ僕が着てたやつなんですよ。買って着るとこまで行くと、だいぶ自分洗脳が進んでて、あ、もう好きなんじゃないかなって錯覚するんですよね。
みうらおかしい方がいいからに決まってるじゃないですか(笑)。初めはその面白いとこまで行くまでに、他人から“どうかしてるね”って言われる状態が1回来るんですよ。一応それDSって呼んでんだけど。D=どうかS=してるね状態。そこを乗り越えた時に面白さが来ると思うんですよね。
だからそこは耐えないとダメなんだ。やっぱり耐え切らないと。 笑われることだってありますからね。最終的にこの展覧会まで持ってくるためには、そんなことでひるんでる場合じゃないじゃないですから(笑)。
「だってこの展覧会、どうかしてるんだもん(笑)」とみうらさん。DSを貫き通した面白さも展覧会の魅力です
みうら「どんなものだろう」と思って見に来てください。僕はどれが特にオススメとかはないから、それは自分の価値観で決めてもらえればいいと思いますよ。
みうらじゅんFES マイブームの全貌展
開催期間/2023年9月23日(土)~10月29日(日)11:00~17:00(土・日曜、祝日10:00~)
会場/TFUギャラリー ミニモリ(東北福祉大学仙台駅東口キャンパス)
住所/宮城県仙台市宮城野区榴岡2−5−26
入場料/
【当日券】一般 1,500円、小・中・高校生 1,000円
問合せ/ニイタカプラス株式会社
☎022-380-8251(平日9:30~18:00)
公式HP/https://miurajun-fes.net/
てんびん座O型の新人編集者。好きな食べ物は笹かまぼこ。自分史上最もおいしい笹かまぼこを決定すべく、色々なお店の笹かまぼこを食べ比べる日々を送る。どれもおいしくて選べそうにない。
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