近頃、お正月になると仙台市内で見かけるようになった「仙台門松」。どんな謂れがあるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。今日は、仙台門松にまつわるストーリーや、宮城県内で実際に見られる場所をご紹介します。
お正月の風物詩、門松。「門松」という名前ではありますが、多くの人が思い描く「門松」は斜めに切った3本の「竹」がメインのものではないでしょうか。実は、この竹が主役となった「門松」は、明治以降に広がったのではないかと言われています。藩政時代まで仙台城下に飾られていた「門松」は、立派な松を主役にした全く別の姿だったのです。
旧仙台藩で飾られていた「門松」=「仙台門松」は、2本の心柱に大きな松と笹竹を取り付けて門のように造り上げ、注連縄を巻き付けた形。中央に「ケンダイ」と呼ばれるしめ飾りを取り付け、鬼打木(おにうちぎ)というクリの割り木を根元に添えるものでした。
寛文10(1670)年の古文書には、政宗公ゆかりの地・根白石の農家から門松用の資材が仙台城に献上されたとの記録が残っています。材料として使われるマツや、クリ、ナラといった雑木は、昔は人々の暮らしの身近にあった材料。地域や家によって形や内容は少しずつ違いましたが、このような「仙台門松」は旧仙台藩領全域で飾られていたそうです。
時代の変遷と共に仙台の街から姿を消した「仙台門松」ですが、仙台市博物館が調査を重ね、東日本大震災後に古い家に残る古文書の保存支援活動などを行う中で、仙台市泉区根白石で伝統的な門松を今も飾っている旧家の方から情報を得ることができ、ついに復元に成功しました。そこから仙台市内の歴史系ミュージアムへと輪が広がり、2013年のお正月を皮切りに復元・展示活動へと発展しました。
2013年のスタート時は仙台市内の歴史系ミュージアムのみの設置となりましたが、2019年には大学教員や経済人を中心とした「心のふるさと創生会議」が発足。そこから、宮城県内の企業やホテル、神社やお寺など、「仙台門松」の復活に賛同する団体が次々と現れました。設置運動開始から5年目となる2024年正月には多くの「仙台門松」がお目見え。仙台市役所にも初めて飾られることになりました。
【12月26日(火)~1月14日(日)】
青葉神社/菓匠三全/ホテルメトロポリタン仙台/仙台ターミナルビル/志ら梅ビル/仙台うみの杜水族館/鐘崎/八幡の杜館/秋保・里センター/高惣合同会社/西村呉服店/三井不動産東北支店/ウェスティンホテル仙台/森民酒造本家/金魂(伊達伯爵邸 鐘景閣)/佐居里神社/春駒交通(東北自動車道菅生PA下り)/仙台市役所市庁舎東口/鶴巻とみさい館/一の坊「作並温泉ゆづくしSalon一の坊」/仙台フォーラス/清水園/関 孝宅/みちのく伊達政宗歴史館
【仙台歴史ミュージアムネットワーク各施設・その他】※設置期間は施設により異なります
仙台市歴史民俗資料館/史跡陸奥国分寺・尼寺跡/地底の森ミュージアム/瑞鳳殿/仙台文学館/仙台市戦災復興記念館/仙台市縄文の森広場/せんだいメディアテーク/仙臺緑彩館/満興寺/仙台秋保温泉 ホテル佐勘/いきいき交流センター大内/名取市那智が丘公民館/名取市相互台公民会館/名取市ゆりが丘公民館/世嬉の一酒造/一関八幡神社
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[2024年度]歴史の薫りのする街づくりプロジェクト・チラシ
「心のふるさと創生会議」のプロジェクトでは最終的に42基の仙台門松の設置を目指しています。その理由は、かつての仙台城下に42基の「仙台門松」が飾られていたという記録があることから。すっと2本の松が立つ姿は清々しく凛々しく、新たな気持ちで年神さまをお迎えするのにふさわしい佇まい。小正月の前日の1月14日まで飾られるのが習わしとのことなので、ぜひ市内の設置場所を巡ってみてくださいね。
※ページ内に掲載されている写真はすべて、書籍「伊達の国を飾った 仙台門松」(2022年12月16日発行)で掲載されたものです。掲載している写真・図表の無断転載を禁止します。
せんだいタウン情報 S-styleの非公認キャラクターとしてその名をほしいままにしてきた癒しロボ。これまで連載してきた4コママンガを振り返ってみたり、癒しロボが注目する情報などをお伝えしていきます。
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