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2018.12.14

映画『斬、』塚本晋也監督・池松壮亮さんにインタビュー

文代梅津Kappo・別冊チーム

みなさんこんにちは、Kappo編集部・シネマ担当のあんこです! 本日は今大注目の俳優・池松壮亮さんと、重厚感のある作品が人気の塚本晋也監督のインタビューを公開します。先日、映画公開キャンペーンで仙台を訪れていたお二人。現在公開中の『斬る、』についてのお話をたっぷりお聞きしましたよ~!

舞台挨拶前のお二人に直撃!

11/24から公開している映画『斬、』。「一本の刀を過剰に見つめる若い浪人」というたった一行の文章から膨らませた作品です。前作『野火』では、第二次世界大戦の激戦地生き抜いた男が主人公。生と死、死の淵にいる人間の極限を映し出し、この作品もまた、“刀”を通して生と死がリアルに描かれています。
そんな『斬、』の公開を記念して先日仙台で行われた舞台挨拶の際、主人公・都築杢之進(つづきもくのしん)役の池松壮亮さんと一緒に話を伺ってきました!

あらすじ

舞台は江戸末期。農家の手伝いで食を得ていた浪人・都筑杢之進は、隣家の若者、市助に稽古をつけながら腕が鈍らないよう汗を流す毎日。市助の姉・ゆうは呆れた眼差しで2人を見守りながらも、都築とお互いに想いを募らせていた。ある日、3人は果たし合いの現場を目撃。それに触発された都築と市助は剣の稽古に力が入る。そんな2人を見ていた、先ほどまで果たし合いをしていた澤村と名乗る男から、自分の仲間に加わって江戸に集合した後、国の動乱に参戦するため京へ上らないかと誘いを受ける。農民でも戦に参加できると血を滾らせる市助と、確かな腕を持ちながら刀の真の意味を考える都築。誘いに合意した2人だったが…。

塚本晋也監督初の時代劇

念願かなっての初めての時代劇。きっかけはなんだったのでしょう?

塚本監督前作の『野火』も制作のチャンスを逃し続けていました。このままでは戦争体験者がどんどん高齢になっていき、戦争の痛みが分かる人がいらっしゃらなくなることが怖くなったんです。その恐怖から制作した経緯がありました。公開後は多くの共感があったので、少し手応えを感じていたのですが、世の中はまったく変わらなかった。今の時代に叫び声を上げなくては、という思いと、20年前にポッと浮かんだこのシンプルな一行のイメージがマッチしたのでプロットを書きました。やるなら(主演は)池松壮亮さんにお願いすると決めていたんですが、ちょうど出会いがありまして、一気に進み出しました。

「塚本監督作品なら、絶対やると決めていた」(池松)

池松さんは、オファーを受けてどう思いましたか?

池松さん「監督の作品に出られるなんて思っていませんでした。学生時代、塚本監督の映画にはたくさん勉強させてもらって、勝手に一ファンとして追いかけていた一人なので(オファーが来た時点で)プロットも見ずに絶対にやると決めていたんです。そしていただいたプロットを読んで感動しました。僕自身、時代劇は大好きなんですけど、日本で俳優を続けるにあたってどういう風に時代劇と関わっていくかが一つの課題だったんです。傑作がたくさんある中で作っていいものか、単なるノスタルジーにならないのか、と模索を続けている中でこのプロットと出会って。いろんなことが重なって『あ、きた! これだ!』と(笑)。普段あまり思わないのですが、『自分にしかできない役』だと思いましたね。この映画が発するエネルギーや、自分、社会、世界への疑問、思うことがちゃんとリンクしたんです。役を作ることは経験していればある程度できることなんですけど、細胞レベルで共感できるのはなかなかないですね」(池松)。

ただのチャンバラではない、命のやり取り

刀の切れ味を痛感させられるようなシーンがたくさんありました。

塚本監督スパスパッと人を切ってあんまり血も出ずにバタッと人が倒れる様式的な時代劇は、チャンバラという一つのジャンルとして娯楽になります。観る人はどんな暴力シーンがあっても、『こういうことだ』と予想ができてしまうんですが、そうはしたくなかった。暴力というのは恐ろしいものだと訴えるために、もっと生々しいものにする必要がありました。冒頭の果たし合いのシーンは、カッターナイフでちょこっと手を切っちゃって『いてて~』ってなるあの感じからスタートしてるんです

人間にとって“武器”とはなんなのか

監督や池松さんにとって、刀とはどんなものですか?

池松さん男の子って子どもの頃にチャンバラするんですよね。あ、今はしないですよ(笑)? それでも、木刀を振り回すシーンでは、なんかゾクゾクするものがあるんです。人は誰しも暴力衝動があって、刀を含め魅力のあるものは色気を宿していると思うんです。それを美化したり正当化しすぎるのは良くないですけどね

塚本監督子どもの頃から男の子って武器とか好きですよね。ちょうどいい曲がり具合の棒を見つけたら『これは俺の刀だ』って言って、1日半くらい持ち続けてる。少し大きくなるとそれがモデルガンになって、『俺の一丁だ! 手に馴染むぜ』なんてね(笑)。武器には一種のフェティッシュがあると思うんです。その本能を大人になってどう抑制できるか。武器や金属と人間は出合った時から恋人同士のようなもの。『野火』ではそれらがものすごい兵器になりました。刀は、武器としての歴史がとても長い。その刀と人との関係を見つめると、何か重要なものが見つかるのではないか、と探してみたのがこの『斬、』なんです

フォーラム仙台にて、絶賛公開中!

『斬、』は、フォーラム仙台にて公開中です。武器を持つ意味、暴力の本質。観る前と観た後では、考え方や物事の捉え方が変わるはず。そして、人を傷つける武器としての“刀”を感じる効果音や、自然光での撮影にこだわったという今作はまさに劇場で観たい作品。ぜひ足を運んでみてください!

上映館/フォーラム仙台
HP/http://zan-movie.com/

文代梅津
Kappo・別冊チーム

隔月5日発行の「Kappo 仙台闊歩」をはじめ、「ランチパスポート」、カフェや日帰り温泉などの別冊制作を手がける、S-style「じゃないほう」チーム。横丁探訪家のKappo編集長、カフェマスターあんこ、スイーツ女子ころりんこ、ランパス隊長まんじゅうこわいと個性豊かなスタッフ揃い。