毎年夏に開催されている、新日本プロレスの大人気シリーズ『G1 CLIMAX 33』が、7/19(水)ゼビオアリーナ仙台にて開催されます。過去最大規模である出場32選手の中で最多出場(22年連続22回目)となる棚橋弘至選手が来仙し、コロナ禍からの復活、楽天戦でのセレモニアルピッチ、G1への思いを語っていただきました。ラジオ3のプロレス専門バラエティ『プロレスの時間』にて2023年7月13日に放送された内容をお届けします。
聞き手: NAOみちのく、青木朋子(ラジオ3)、糸賀清和(お笑い集団ティーライズ)
NAO:本日のスペシャルゲスト、新日本プロレス・棚橋弘至選手です。
棚橋:みなさん改めまして、新日本プロレス、100年に一人の逸材・棚橋弘至です。よろしくお願いします!
NAO:青木さんは棚橋選手の大ファンということで。
棚橋:ありがとうございます。もう何年ぶりかですもんね。
青木:初めてインタビューさせていただいたのは2018年1月だったと思います。確か棚橋選手が仙台でイベントをされて、その告知だったと思いますが、そのときに棚橋選手にお会いして以来、“プロレス沼”にどっぷりハマってしまいました。
棚橋:ようこそ、ですね!じゃあ僕とラジオでお会いするまでは全然プロレスは観ていなかったんですね?
青木:そうなんです。全く観ていなくて。むしろ痛そうとか怖そうだなと思って少し敬遠しているくらいだったんです。それがもう一気に棚橋選手の術中にはまったと言いますか…。
棚橋:あー(笑)。
NAO:まんまと(笑)。
棚橋:まんまとね、印象良くないよね、その言葉(笑)。
青木:それから5年半くらい経ちますけど、ずっと観続けて。仙台での試合はもちろん、たまに遠征もするくらいです。
棚橋:プロレス遠征を、いいですね。
青木:1.4(イッテンヨン)東京ドーム大会も。
NAO:毎年行かれてますもんね。
棚橋:すごいアツイじゃん~!
NAO:やはり選手としてはうれしいですか?遠征するファンの存在は。
棚橋:めちゃくちゃうれしいですね。やっぱり今はライブ配信なんかで観られたりするけど、それでも会場に行って直接応援したいっていうね、そういう気持ちがうれしいですよね。
糸賀:青木さんとは付き合いが長いんですけど、青木さんは棚橋さんに会うまでプロレスを知らなかったんで、(蝶野正洋さんのモノマネをする自分のことを)ただのガラの悪い人と思われてたんですよ(笑)。「ガッデム!」とか言うし。
青木:いやいや、そんなことないですよ(笑)!
棚橋:言葉遣い良くないな、ってね(笑)。
糸賀:でも青木さんが棚橋さんにお会いしてプロレスファンになって。それからですよ。「あれ、糸賀さんって(蝶野さんに)似てるんですね」みたいなこと言われて(笑)。
棚橋:ちょっと僕すごい貢献してるじゃないですか!
青木:そうなんです。初めて蝶野さんをTVなどで見たときに、「糸賀くんに似てる」って。
一同:(笑)
NAO:逆なんですけどね。
棚橋:糸賀くん先行なんだ、それは日本の中でも珍しいパターンですね。じゃあ2018年に僕と出会ってなければ、この番組は始まってなかったんですね。
青木:生まれてないと思います。
NAO:棚橋選手のおかげです。ありがとうございます。
棚橋:いやいや、任せてください。日本全国こういうケースが増えてくるといいですね。
入場時の棚橋選手
青木:コロナでの規制も徐々に緩和されて、こうやってキャンペーンにも来られるようになったという喜びもあるのではないでしょうか?
棚橋:そうですね。これまで日本全国プロモーションで回って、プロレスを盛り上げてきたっていうところがあって。でもやっぱりコロナのこの3年で、やはり少し(勢いが)下がったんですよね。会場での楽しみ方も変わってきましたし。それでももう1回ね、プロレスを盛り上げたいというところで、これからプロモーションむちゃくちゃやっていこうと思っていますので…なんだったら月1回来ますんで。
青木:本当ですか?実現したらそれはとてもうれしいですね!
棚橋:とにかく、むちゃくちゃ悔しいんですよ。みんなで頑張って盛り上げていたプロレスが、自分たち以外の原因で下がったじゃないですか。本当にキャリアをかけて盛り上げてきたのに…もう1回盛り上げて終わらないとプロレス人生終われないんですよね。今そんな気持ちでいます。
青木:その盛り上がりは、どんな形になるのが理想ですか?
棚橋:僕がチャンピオンになって、リング上で「“愛してます”締め」ができるようになる未来が見たいですね。ま、僕次第ってことですね。“それはお前が頑張れよ”って、いまみんなが思ってる(笑)。
青木:本当に楽しみにしております。(かつてプロレス人気を回復させた)“V字回復”ならぬ、2度目の回復で“W字回復”を。
青木:さて、このインタビューの前日7月6日に楽天モバイルパーク宮城でセレモニアルピッチを担当されたということで、4年ぶりだったそうですね。元野球部の棚橋選手、いかがでしたか。
棚橋:小中高と野球をやっていたので、キャッチャーミットにバシンと、いい球投げたかったんですけど、ちょっと低めにそれてしまいましたね。
青木:ストライクではなく?
棚橋:若干低めでしたね。まあでも審判によりますかね(笑)。
青木:試合も見事3ー0で楽天が勝利を収めました。
棚橋:そうですね、いやうれしかったなぁー。
青木:BSの試合中継ではゲスト出演もされていました。野球中継のゲストは初めてですか?
棚橋:初めてですね。セレモニアルピッチが終わってそのまま放送席に入って。解説者の五十嵐(亮太)さんとやらせてもらったんですけど、本当に楽しかったですね。僕の知ってる野球の知識というのは高校レベルまでなんですけど、横で五十嵐さんがプロの解説をされるんですね。そこでプロの技術の高さを間近で聞けて、僕はたぶん一番楽しんでましたね。
青木:ツイッターでも野球中継をご覧になっている野球ファンの皆さんの反響を見ましたが、五十嵐さんとの掛け合いが良いとか、またゲストに来てほしいとか、すごく良い感想ばかりでした。
棚橋:マジですか!なんて検索したら(その感想)見られますかね。
一同:(笑)
青木:おそらく棚橋選手のお名前で出てくると思いますよ(笑)。
棚橋:いやぁ当日のうちにエゴサしておけばよかったですね(笑)。
青木:明らかにプロレスとは関係なさそうなアカウントの方がたくさんツイートされていて、「ちょっとプロレス見てみたくなった」と書いていらっしゃる方もいましたし。
棚橋:うれしいなぁ。じゃあプロモーションみたいな形になったんですね。プロレスを知ってもらう前に、棚橋っていう人間を知ってもらって、興味の入口にする、っていうのはアリですね。
7月6日に行われたセレモニアルピッチでは見事な投球を見せた ©新日本プロレス
青木:さて、日程も迫って参りました、『G1 CLIMAX 33』仙台大会についてお聞きします。新日本プロレスのシリーズとしては大きな大会になりますよね。
棚橋:そうです。年間を通して1月4日の東京ドーム大会と、夏に行われる『G1』が2つの大きなポイントになりますね。
青木:今回はこれまでで最多、8選手×4ブロック=全32選手が出場する大会となりました。棚橋選手は全ての選手の中で最多出場(22年連続22回目)を果たされていて、そのうち3回優勝されています。7/19(水)仙台大会は、シェイン・ヘイスト選手との対戦となります。
棚橋:G1の公式戦が仙台であるっていうのは非常にうれしいですね。
青木:公式戦のルールが発表されたときに気になったのが、これまで一試合“30分1本勝負”だったのが、今回は“20分1本勝負”に変更になっているんですよね。
棚橋:参加選手が多いというのと、興行のリズムとかも含めての変更だと思うんですけど、20分で決着がつかないっていうことも絶対出てくるんですよね。同じブロックの中で実力が伯仲してる選手同士の戦いは、ひょっとしたら引き分けがかなり点数の部分で影響してくるような気がしますね。(※勝利=勝ち点2、引き分け=1、負け=0)
青木:直近でG1で引き分けになったのが、2018年8月、日本武道館で行われたAブロック公式戦最終日、棚橋選手vsオカダ・カズチカ選手の試合だそうで、30分フルタイムドローでした。
棚橋:ありましたね、日本武道館か、両国国技館か…
青木:武道館ですね。私観に行きました。
棚橋:あれ、僕引き分けで決勝行けなかったんじゃないかな?
青木:いや、2018年は優勝されているので、その試合で引き分けて決勝に進出されました。
NAO:ちなみにその決勝戦、僕、日本武道館に観に行っています。
棚橋:アツイじゃーん!(NAOみちのくとグータッチ)
NAO:うわー、めちゃくちゃうれしいです!
棚橋:でもあの武道館(の決勝戦)はよかったよね。
NAO:よかったですね!初めてG1が日本武道館で行われるというタイミングでした。
棚橋:やっぱりG1の決勝は格別だよね、ほんとに。
青木:まだ会場で決勝を観たことがないので、観てみたいです。
棚橋:あー、それは観た方がいい!観た方がいい!
NAO:間違いないですね!
青木:全4ブロックの中で注目されているのがAブロック。若い世代の選手が集中しています。
棚橋:ブロック分けのクセがすごいですよ。4人若い世代がいるんだったら、A~Dにそれぞれ分けちゃってもいいのに、ここに全部固めてしまうって。特に『プロレスリング・ノア』から清宮海斗選手も入っていて。
青木:この『プロレスの時間』という番組では、清宮選手に定期的にご出演していただいているので、気になりますよね。
NAO:棚橋選手は清宮選手と対戦もされてますし、同じタッグチームで組まれたこともあります。清宮選手の印象はいかがですか?
棚橋:もうほんとにカッコ良くて、顔が小さくて。
糸賀:女子目線(笑)!
棚橋:若くて、運動能力も高くて、良いなって思ってます。ただ、まだちょっとクセがないかなって。人の心に残るというのはとっても大変で、何かこうフックが欲しいかなって思ってしまうところはありますよね。それは何か?って言われたら、それは自分で掴むしかないんだけど。このG1で何か掴んでほしいなと思いますね。
青木:そしてAブロックは最近新日本プロレスから発表になって話題になっている“令和闘魂三銃士”と命名された、海野翔太選手、成田蓮選手、辻陽太選手がいます。※1
棚橋:あれはねー、批判的な意見が来るのがわかってて発表したんじゃないかっていうくらい、確信犯ですよね(笑)。そんな名前つけられて誰も喜ばないじゃん、と思ったら案の定3人とも反発しましたよね。
青木:本当にこれは賛否両論で。でもそんなふうにいろいろな話題で盛り上がるのがまた楽しいってことなのかなと思います。
棚橋:“賛”だけだとあまりに狂信的で気持ち悪いし、“非”だけでもダメなんですね。やっぱり物事は、“賛否両論あって本物”っていう言葉があって、それでこそディスカッションができるし、熱が生まれるというね。だからこれはアリだと思いますよ、僕は。今はファンの方も「なんだよ、この“令和闘魂三銃士”って」って言いながら楽しめる、“心の受け身”が取れるというか、そういうファンの方が増えてきてるんじゃないかなと。一方的に批判するのではなくて、それを話題にして楽しめる、ファンの皆さんのレベルが上がっているんじゃないかなっていう気がしますね。
青木:それこそ「IWGPヘビー級」のベルトが「IWGP“世界”ヘビー級」に名前が変わったときもいろいろ物議を醸しましたしね。※2
棚橋:ありましたねぇー。
糸賀:興味がなかったら流して終わりですもんね。
棚橋:ベルトの名前が変わっちゃって、歴史も1回リセットされちゃったので…俺はまだ歴代に名前残してない。そこもまた絡んでいかないといけないですね。
青木:でも考えようによっては、新たな、じゃあこれを取るぞっていう目標が生まれたという…
棚橋:ポジティブ~!そのポジティブエネルギーもらって帰ろう。
青木:G1仙台大会は7/19(水)、会場がゼビオアリーナ仙台です。私は大好きな会場です。
棚橋:そうなんですよ。なだらかな傾斜のある席の配置になっていまして、バスケットとかスポーツ観戦用なんですかね。どの席からも非常にリングが近くて見やすい、良い会場ですね。
青木:仙台は非常に縁起が良い土地だとお聞きしております。サンプラザでの思い出でしょうか?
棚橋:2011年のサンプラザ大会で小島(聡)選手を相手に初防衛してから11回、IWGPのベルト連続防衛記録を達成できたという土地なので、また仙台からスタートするイメージでいきましょうか。
青木:なんかしみじみ語っていらっしゃる…
糸賀:気持ち上げてください!棚橋さん!
NAO:気持ちもV字回復していただいて…!
棚橋:まずは僕がV字回復しないと、ここから抜け出せないですよね。そうだそうだ。そんな選手は期待できない(笑)。
青木:ラーメンを食べるポイントは絞っていただいて、ということですかね(笑)。
棚橋:G1優勝してからラーメン食いますよ。あのね、(ラジオ3の)スタジオの隣に、“濃厚つけ麺”っていう看板を見つけたんで(笑)。
青木:狙ってらっしゃいます?この後。
棚橋:じゃあ今度優勝報告で(ラジオ3に)来たら“濃厚つけ麵”食います!
糸賀:大盛りまで無料ですよ。
棚橋:マジですか!うわー、今日イチでテンション上がりました!
一同:(笑)
天井から吊り下げられた大型ビジョンと、会場周囲を取り囲むリボンビジョンが美しい ゼビオアリーナ仙台
青木:収録している本日は7月7日ということで、棚橋選手の願い事をお聞きして締めていただこうかなと思います。
棚橋:短冊に書くなら「G1 CLIMAX優勝できますように」とかなんですけど、やっぱりこう…いろんな人にコロナから復活して、日常を取り戻して、楽しんでもらって、プロレスも観てもらって。笑顔になってほしいですね。
青木:それが一番ですね。この3年間、皆さん苦しい思いをして、我慢してきた時間が長かったので、プロレスの会場に来て、解放してほしいですね。
棚橋:そうですね、みんなが笑顔になれるお手伝いができればと思います。
※1
『闘魂三銃士』=1988年当時、同期の武藤敬司選手、蝶野正洋選手、橋本真也選手によって結成され、一時代を築いたユニットの呼称。その後2004年には同世代の棚橋弘至選手、中邑真輔選手、柴田勝頼選手が『新闘魂三銃士』と命名。2023年6月、令和の新世代を担う3選手が『令和闘魂三銃士』と命名された。
※2
これまでの『IWGPヘビー級王座』と『IWGPインターコンチネンタル王座』を統一し、両王座の歴史を継承した『IWGP世界ヘビー級王座』が2021年、新たに創立されたが、当時様々な意見が飛び交った。
【プロフィール】
1976年11月13日生まれ、岐阜県大垣市出身。O型。1999年新日本プロレス入門。2011年2月の仙台サンプラザ大会から約1年間で11度のIWGP王座連続防衛に成功。同王座歴代最多戴冠8回。ほかタイトル歴多数。現NEVER無差別級6人タッグ王者。メインイベントで勝利後はエアギターと共に「愛してま~す!」で大会を締める。
SNSはTwitter、Instagram、WEAR、Amebaブログなど
©新日本プロレス
【試合情報】
日時:2023年7月19日(水)
開場:17:00 開始:18:30
会場:ゼビオアリーナ仙台
チケット情報など詳しくは新日本プロレス公式サイトへ
https://www.njpw.co.jp/
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