2021年12月の解散発表以来、今まで以上に精力的な活動を続けてきたBiSH。怒涛の12ヵ月連続リリースを行い、3月22日発売のラストCDシングル「Bye-Bye Show」を発売し、グループ活動のフィナーレへ向けていよいよラストスパート! 2月18日、19日に行われた女川町でのイベント「ONAGAWACK2023」への出演の合間で、メンバー全員にインタビュー。解散へ向けて歩むそれぞれの率直な想いや6月のラストライブへ向けての意気込みをうかがいました。
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BiSHインタビュー掲載!
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撮影/呉島大介、取材・文/工藤 葵、編集部
※記事内では2023年2月18日にお話を聞いた内容をそのまま記載しています。
セントチヒロ・チッチいつも女川に来ると、心が解き放たれたように楽しんで過ごせるんです。なので楽しみというのが一番だったのですが、さっきみんなでクルージングに行かせていただいた際に船長の持田さんが津波の時のお話もしてくださって、やっぱり忘れちゃいけない語り継がなきゃいけないことだなと思いました。私たちはちゃんと意味を持ってライブをしなくてはいけないと改めて感じましたし、今日これからライブをするんですが、パワーとか生きる力をあげられるライブをしなきゃ頑張らなきゃなって沸々としていて…。でも、すごく楽しく女川を満喫させていただいています。
ハシヤスメ・アツコ宮城自体にはライブなどで来ているのですが、コロナ禍ということもあって女川は3年ぶりです。なかなか来られず、町長や『高政』の社長さんや、これまで関わってきたみんな一体どうしてるんだろうと気にしていました。でも変わらないものがそこにあったのでホッとしたというか、おかえりと言ってもらえている気がしました。今日は朝8時からアクティビティに参加しているので立ちっぱなしで少し疲れはあるんですけど、「楽しいぞ女川!」ってこれからライブでさらに皆さんにパワーを与えなきゃいけないなと。3年分の思いを込めてパフォーマンスできたらと思っています。
モモコグミカンパニー「ONAGAWACK」で来る度に、寒いけれど人があたたかくて安心できる場所だなと感じています。特典会とかそういったイベントは全国各地でやっているんですが、ここに来るとファン(以下、総称清掃員)と近くで触れ合うことができて、それはきっと女川町の雰囲気がそうさせているんだなと思います。
アイナ・ジ・エンドCMの曲は自宅で録ったんですけれど、海の匂いとか女川でしか感じられない人のあたたかさとか、1回何かを経験しないとこういう優しさは出ないだろうなっていう独特のものがあって、それを思い出して歌いました。久しぶりに来て感じたのは…このリアルな空気が好きだなぁということ。お土産屋さんのおばちゃんが「あんたらも頑張りなさいよ。私たちも頑張ったんだから」って声を掛けてくれて、そういうことって東京じゃ言われないし、みんな親戚みたいな空気感で血の繋がりもないのに優しくって、そうやって迎えてくれるのがすごくうれしいです。
アユニ・DBiSHを支えてくださっているBiSHチームの方々と、女川町の皆さんもそうですが、BiSHを好きで居てくれる方々の愛でしかないです。毎日のようにライブをして体力的にしんどくなってしまったり、ライブ直前まで心がカラカラになったとしても、いざライブで清掃員たちの顔を見ると不思議なくらい元気が出るんですよ。だから、清掃員の力というか清掃員が私たちを好きでいてくれていることが生きる力になっています。
リンリン昨年の解散発表の後に、ワンマンライブをしたことのない街でホールツアーを行いました。それが今までに感じたことのない空気感で、「やっと会えた」「やっとBiSHが来てくれた」という喜びが肌で空気で伝わってきて、マスクをしていて喋れなくても清掃員がそういう気持ちを伝えてくれることが私たちの力になっています。スケジュールが忙しすぎて今日はダメかもしれないと思っても、ライブをしたら楽しくてしょうがない。本当に清掃員のおかげだなと思っています。
モモコグミカンパニーアユニ・Dさんが作詞した「スーパーヒーローミュージック」。コロナ禍にできた曲だったと思うんですが、歌詞がすごく前向きでパワーをもらったし、同じように感じた人も多かったんじゃないかな。“匙を投げたならすぐ拾えばいいだろ”とか“素晴らしき人生 ぶちかましていくのさ”っていうのが、周りが止まっている状況でも自分たちは進んでいきますっていう意思表明だった気がします。やることをやっていこうって思える曲です。
アユニ・D最近だと、アイナちゃんの「ハッピーエンドじゃなくても」。今のBiSHを歌ってくれているというか、アイナちゃんはアイナちゃん自身のことを書いたのかもしれないんですけれど、ものすごく今の自分の心境とリンクしていて…。ライブでは清掃員が居てメンバーも居てすごく素晴らしい状況の中に居るんですけれど、家に帰ってポツンと1人で眠れない深夜とか、「自分ってちっぽけだし何者でもないな」とか思っちゃうこともあるんです。それでも、メンバーが好きだしBiSHが好きだし、なんか今の人生って本当に幸せだなって、この曲を聴くとそんな気持ちになれるのが好きです。
リンリン個性というか…好きなものがバラバラなんですよね。最近、ラジオで“自分にとっての春の曲”を全員がセレクトしたんですけれど、まったく違う世界観のものをそれぞれ選んだんです。メンバーたちが居るおかげで知らないことも知れるし、良い関係だなと。個性がバラバラなのがやっぱりBiSHだなと、小さなことでも改めて感じています。
ハシヤスメ・アツコ作詞には前から携わっていたんですが、コロナ禍になったくらいからみんなが作詞・作曲に取り組んでいて、2022年にスタートした12ヵ月連続のCDリリースの際にチッチとリンリンが作詞・作曲した曲をカップリングに入れたんです。自分で音を作ったりメロディーを入れたりして、ここまで個性的な曲が作れるんだなと思いましたし、メンバーごとにまるで個性が違って本当におもしろい。聴いてきた音楽のジャンルも好きなものもバラバラなので、それぞれから出てくるフレーズが自分だったら浮かばないというのもありますし、そういう部分も含めてみんなを尊敬しています。
アイナ・ジ・エンド最後のレコーディングとか、最後の振り付けとか、最後の衣装とか、“さいご”という3文字が募ってきて、自分自身“最後”っていう言葉が嫌いになるんじゃないかっていうくらいさみしくて、たまにすごく怖くなるんです。こんなに私の生きがいみたいな人たちと当たり前に過ごしてきたのに、居なくなった後にどうやって生きていこうって。今まで全然考えられていなかったんだなと思うくらい、今それに直面しているんですけれど、こういう気持ちで迎える最後のホールツアーなので、今までとはまた違う気持ちが生まれるんだろうなって、それはやってみないとわからないけれどいいライブにはなるんだろうなって思っています。ちょっと遠い人にも仙台のライブに足を運んでほしいです。
セントチヒロ・チッチ 東京ドームは、私たちの本当に初期からの夢でずっと言葉にしてきて、叶うか叶わないかもわからないくらい遠かった夢へ少しずつ自分たちの足で進んできました。みんなが言ったように自分たちでいろんな表現を見つけて「BiSH」っていうものを探しながらやってきた中で、一番うれしい報告っていうのが東京ドームだったし、一番さみしいのが解散で、その2つが重なった日になっちゃうんですけれど…。でもすごく、すごくすごく大切に届けたいし、BiSHとしては全員が一番燃え尽きなきゃいけない日だと思うんです。今、その日に向かってどうなるかもわからないし、BiSHがこれから何ヵ月かの間にどう変わっていくのか進化していくのか自分たちでもわからないので、とにかく目の前のことに必死に生きて、ツアーで「Bye-Bye Show」を一緒に育てながら、愛情を込めてやっていったらいいライブになるんじゃないかなと。BiSHらしく、愛を込めて感謝を伝えまくってその日まで過ごしたいと思っています。
アイナ・ジ・エンド(宮城の)訛りが好きなんで、Twitterのリプライとかで訛り大爆発で語ってください!
リンリンずんだシェイクが大好きです!
アユニ・Dさっき花友さん(シーパルピア女川内の花屋)から「大人っぽくなったね。キレイになったね」って言っていただいて、本当に家族のようにあたたかい人たちとこの町が大好きです。またいつか来たいです! BiSHが終わったとしても、帰って来られるように頑張ります。
ハシヤスメ・アツコ羽生結弦さんの写真集、買いました!
モモコグミカンパニー宮城や仙台の清掃員の中には、BiSHが居なくなってしまったらどうしようという不安を抱えている方も居ると思うんですけれど、それよりも目一杯今を楽しみましょう!
セントチヒロ・チッチ宮城県の中でも仙台にはよく行ったので思い出がたくさんある場所です。ライブハウスの人たちもすごく明るくて愛情を持ってBiSHに接してくれるし、女川ではこうしてあたたかく迎えてくれていつも活気を見せてくれて、どちらかと言うと私たちが生きるパワーをもらって帰ることが多いので、本当に感謝しています。宮城の皆さんにまだまだパワーをあげられるようにBiSHも精一杯届けたいと思っているので、ぜひ頑張りましょうと伝えたいです。
【RELEASE】
Single「Bye-Bye Show」
CD版(収録:01 Bye-Bye Show、02 SPARK) 1,155円
※ほか、超豪華盤、初回生産限定盤、DVD盤あり(価格はすべて異なる)
2023年3月22日(水)発売
【PROFILE】
アイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dからなる、“楽器を持たないパンクバンド”。2015年3月に結成し、同年5月インディーズデビュー、翌年5月メジャーデビュー、メンバーの脱退や加入を経て現在の6人体制に。6月29日(木)に開催される東京ドームでのライブをもって解散予定。
▼オフィシャルホームページ
https://www.bish.tokyo
2023年2月18-19日に女川町で3年ぶりに開催された「ONAGAWACK」。芸能事務所『WACK』所属のアーティストによるライブはもちろん、町の中央エリアでは交流イベントが行われ、女川町は終日にぎわいを見せました。本誌では貴重なライブ写真はもちろん、BiSHメンバーがサプライズ登場したアクティビティイベントの模様も激写! 全7ページの特別企画でお届けします。
Web記事では使用しなかったお写真も含めて、たっぷり7ページでお届けします。
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小学2年の息子を追いかけながら、日々せっせと働くワーキングマザー。「せんだいタウン情報S-style」第18代目編集長やってます。BTSが好きすぎて、やたらと韓国料理ばかり作っているただのARMY。
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