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2018.10.30

【特別インタビュー】『ビブリア古書堂の事件手帖』・三島有紀子監督インタビュー

heroマタギ

こんにちは、S-style編集部のマタギです。突然ですがみなさん、本はお好きですか? 小説や漫画、絵本や図鑑など、人それぞれ好きな本・思い入れのある本があると思います。この秋、人の想いを繋ぐ本と本屋を舞台にした映画『ビブリア古書堂の事件手帖』が公開となります。この作品の監督を務めたのが『繕い裁つ人』や『少女』などを手がけた三島有紀子監督です。今回三島監督がS-stlye編集部に映画のお話や監督の想いをお話してくれました!

11月1日(木)公開の『ビブリア古書堂の事件手帖』。舞台が本屋さんということですが、監督ご自身は本はお好きですか?

三島監督本は小さい頃からとても好きで、いろんな作家の作品を読んできました。生まれが大阪の堂島というところで、本の問屋街だったんです。小さい頃から本に囲まれて過ごしてきて、本のある空間が私の原風景でもあります。

監督にとって本は自分のベースにあるものなんですね。

三島監督そうですね。映画はもちろんですが、一方で、この映画にも登場する夏目漱石や太宰治の作品はひと通り読んできました。作家自身や作品はもちろん好きですし、「古本」というもの自体も大好きです。表紙のデザインや、印刷された文字のフォント。モノとしての本も好きなので、本がたくさん登場する『ビブリア古書堂の事件手帖』はおもしろく読んでいました。

原作を読んでみていかがでしたか?

三島監督物語の主人公・栞子(しおりこ)さんは本の知識が豊富で、洞察力や想像力を兼ね備えた人です。映画のタイトルに「事件手帖」とありますが、彼女は本を通して人間の想いやドラマを紐解いていくんです。そこがとても面白くて、映画に描きたいと思ったポイントでもありました。そして映画化する時は人間ドラマを膨らませて、大切に作りましたね。

映画化するにあたって、原作者の三上 延さんとはお話されましたか?

三島監督この物語は、野村周平さん演じる大輔が、黒木 華さん演じる栞子さんの営む「ビブリア古書堂」に、祖母の残した本を持ちこむところから始まります。まず脚本を作っていく中で、『晩年』と『それから』は映画のカギを握る本として描きたいと三上さんにご相談しました。また、大輔の祖母の過去をきっちり描くことで、過去の人間の想いが今を生きる人たちに伝わるのではないか、そこをテーマに描きたいという話もしましたね。

原作との違いなどはお話されましたか?

三島監督『ビブリア古書堂の事件手帖』はシリーズものの作品なので、主人公の性格や考えは変わらずに描かれていますが、映画では栞子さん自身が少しずつ変化するシーンも描きたいとご相談しました。

三上さんともたくさんお話されて完成した作品なんですね。栞子さん役に黒木 華さんを抜擢した理由は?

三島監督栞子さん役を選ぶ際にポイントとした点がいくつかあって。まずはご自身も本が好きな人。これは外せないポイントでした。それから本を読んでいる横顔が美しい人。栞子さんは凛として静かに読書をするイメージがあったので、それを崩さずに表現できる人がいいなと考えました。そして美しい声の持ち主であること。豊かな表現力ときれいな声で文章を読み上げることができる人がいいなと思い、これは黒木 華さんしかいないと考えました。

© 2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会

野村さん演じる大輔は読書が嫌いで、栞子さんとは対極の存在ですね。

三島監督そうなんです。大輔さんは本に興味がなく、読書が苦手な青年です。ですが、人間そのものをとてもよく見ている人です。栞子さんが本に夢中になっている間、大輔さんはずっと栞子さんを見ています。他者である人間を見て、その人がどんなことを考えているのかをくみ取れる人です。

なるほど、野村さんは大輔さんのような人柄なのでしょうか。

三島監督野村さんは、その場やその時の空気を読み取っていろいろなことを感じることができる方です。周りのことをよく見て考えることができるという点で、大輔役をお願いしました。お二人にお願いして本当に良かったと思えるくらいのベストキャスティングでした。

© 2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会

大輔の祖母を演じる夏帆さんと、その相手役の東出昌大さんのシーンも素敵でした。

三島監督東出さん演じる嘉雄は、太宰治に憧れているが作家としての才能がない青年。夏帆さん演じる絹子は、食堂で働く女性です。本とは縁のない暮らしを送っていましたが、嘉雄と出会って本の虜になっていきます。本を介して二人は惹かれ合っていくんです。この関係は純文学や文芸映画のように撮りたいと思い、ダイナミックに描きましたね。

劇中に登場する小物も魅力的ですよね。

三島監督美術部のスタッフたちとたくさん相談して作り上げました。嘉雄と絹子のシーンで登場する1枚の写真は、実際に東出さんに撮影していただいたものなんです。誰にも見せたことのないような切ない表情を撮るために、二人きりになって撮ってもらいました。おかげでスタッフみんなでどれにしようか悩んでしまうくらい素敵な写真になりましたね。

写真を選ぶ時間も楽しそうですね! 劇中に登場する古本も素敵なものばかりですね。

三島監督劇中に登場する古本は全国各地から選りすぐりのモノを集めました。栞子さんが座るカウンターの周りには、彼女のお気に入りの作品を並べようとスタッフと話し合ったり、本をめくる音や手に取る音は大きめに入れることにこだわったり。小物ひとつ一つの演出にも力を注いでいるので、ぜひ注目して観てもらいたいですね!

エンディングやエンドロールも魅力的で、最後の最後まで楽しめました。

三島監督エンディングの主題歌はサザンオールスターズの「北鎌倉の思い出」です。みなさんにお願いできました。ボーカルが原 由子さんという点がポイントで、原さんの柔らかく、唯一無二の歌声が映画にぴったりだと思い、お願いしました。エンドロールはこれまでにないデザインにしたいと考えて、本の表紙のデザインにしてみました。完成した時はじわっときましたね。

では最後に、S-style読者のみなさんにメッセージをお願いします!

三島監督『ビブリア古書堂の事件手帖』は人と人、人と場所、人と本など、繋がりを大切にしている作品です。いろんな想いが時を超えて繋がる奇跡的な瞬間を楽しんでいただきたいです。11月1日(木)の「本の日」に、ぜひ劇場に足を運んでくださいね!

© 2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会

『ビブリア古書堂の事件手帖』
公開日/2018年11月1日(木)
出演/黒木華、野村周平、成田凌、夏帆、東出昌大
原作/三上 延『ビブリア古書堂の事件手帖』(メディアワークス文庫/KADOKAWA 刊)
監督/三島有紀子
脚本/渡部亮平、松井香奈
[2018年/日本/20世紀フォックス映画、KADOKAWA]
上映館/TOHOシネマズ仙台、MOVIX仙台、MOVIX利府、イオンシネマ名取、109シネマズ富谷、イオンシネマ石巻、ユナイテッド・シネマ フォルテ宮城大河原
公式サイト(http://biblia-movie.jp

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マタギ

大学4年間を関西で過ごし、お笑いに魅せられたひよっこスタッフ。山に登り、山頂で珈琲を楽しむのが理想の休日。仙台・宮城の情報通になるべく日々修行中。「本売る人に会いに」「ハローペンパル」などを担当。