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2018.06.19

【S-style6月号】レジェンド of キーマyamanの哲学

kamaspoカマスポ

こんにちは! S-style編集部のカマスポです。
現在、好評発売中の『せんだいタウン情報S-style6月号』は、
日本人ならみんな(!?)大好き「カレーライスと中華そば」特集。
今回は、表紙でも登場いただいた『yaman』に密着した記事をお届けします。

“カレー屋をやりたい!”と、お告げのように突然思ったんです  

ラーメン屋に魚屋、雑貨屋があればペットショップもある。人とすれ違うのに少し気を遣うほどの道幅に、50店舗ほどがひしめき合う「東一市場」。その横丁の一角に佇む、「カレー」の幟のぼりと店の頭文字「y」の筆文字を堂々としたためた黒塗りの店。同じ場所で営業していたそば屋を居抜きで使った八畳一間の空間はまさに〝男の城〟。ここが仙台でも有数の〝キーマカレーの名店〟として名高い『yaman』だ。店の主は、宮城出身の山下さん。「幼い頃から無類のカレー好きで、家では『毎日でも食わせてほしい!』とよく言ってましたね。そんなこともあってか毎週土曜がカレーの日になったんです。土曜になるのが本当に楽しみだったのを覚えています」。そんなカレー一色の少年時代を過ごした山下さんが本格的にカレーに目覚めたのは20代の頃。「みんなカレーが好きだと思いますが、大人になって好きの領域を超えたと言うか。親元を離れて自炊するようになると男の一人暮らしの料理は、大体カレーを作るじゃないですか。そこからカレーにのめり込んで、もっとおいしく作りたいと思い始めたんですよ」。
そこから有名店で修業して、満を持して独立―。という開業の王道パターンかと思いきや店誕生の理由は意外なものだった。「男の料理って、突き詰めていくと素材にこだわるから材料費がもの凄く高くなるんです。次第に誰か僕の食べるカレー代を援助してくれないかなと思うようになって(笑)。ぼんやりとですが、お店を持てば僕も食べられるしお客さんも喜んでくれるのでは…と考えたこともありました」。それでも、本当に店を開くことになるとはこれっぽっちも思ってなかったそうで「高校を卒業後、家業の電気設備と古本販売の仕事をして、自衛隊に6年間お世話になって、また家業を手伝って…。ごくごく普通に暮らしてたんですけどね。36歳になる半年前かなぁ。〝カレー屋をやりたい!〟と突然思ったんです。本当に神のお告げかのようにポーンと降りてきてね(笑)」。
〝決めると早い〟。かなりの行動派という性格ゆえに半年後には『yaman』をオープン。「カレー屋をやるにあたって、どんな店にしたいのかイメージを持ちたくて、東京の店を食べ歩きしたんです。その時に渋谷の笹塚にあった『MʼsCurry 』に出会って。いつも人が並んでいる有名店で、キーマはなかったと思うけど、ルウカレーがもの凄くウマかった。ここ(東一市場)と同じ商店街の中に佇むカウンターのみの小さなカレー屋で、調理も会計もすべて一人でやる。そんなスタイルだったら僕一人でもできるんじゃないかと」。修業もしていなければ、カレーの作り方を教わったこともない。固定概念にとらわれず自らの目と舌を頼りに独学で辿りついたレシピを引っ提げて、山下さんは店を開いた。

『yaman』のキーマカレーの原点は、母が作ってくれたキーマなんです

yaman』の朝は仕込みから始まる。日によって変わるが、一日で使うご飯の量はおよそ2升。宮城県産「ひとめぼれ」を手際よく研ぎ、キーマカレー用の挽き肉、店の人気メニュー「yamanカレー」で使う鶏肉、すべてのカレーのベースとなるルウ、オリジナルブレンドのガラムマサラ、と手際よく淡々と調理を進めていく。流れるような作業にじっと見入ってしまうほどだ。聞けばこの仕込み、ご飯とスパイス以外はすべて翌日以降に出すカレーの準備だそう。山下さんのこだわりでルウや挽肉は最低でも1日冷蔵庫で寝かせる。スパイスは作りたてが一番香りがよいとされるが、ルウに至っては寝かせることで味を落ち着かせ、旨みを引き出す。この手間こそがおいしさの秘訣。そして、寸胴の内側に年輪のように刻み込まれた軌跡が物語るようにルウは継ぎ足し。足りなくなったら都度新しいルウを入れていく。創業当時からのルウは震災時に途絶えてしまったが、震災後から7年間、鍋の底を見ていないそうだ。
ところで、なぜ「キーマカレー」だったのか? 答えはシンプル。“キーマカレーが好きだから。「母親がよくキーマカレーを作ってくれていて。その思い出が強かったんですよ。味は違うけれど『yaman』のキーマカレーの原点は母のキーマなんです」。

自分の生きてる時間すべてをカレーに捧げてもいいんです 

 1130分、「いらっしゃいませ」の声で客を出迎える。話しかけられれば話すそうだが、口数は少ない。サラリーマンにカップル、学生と客層はさまざまで、中には2日に一度足を運ぶ常連もいるそうだ。多くの人を虜にするカレーは、複雑な味で、言葉で表現するのが難しい。山下さんが一番好きだという「ミックスキーマカレー」を例にとれば、ひと匙口に運んでまず感じるのは、圧倒的なスパイス感。スパイシー(辛い)だけではなくスパイスフル。香りと旨みが、鼻から舌へ、舌から喉へ、そして胃袋へと伝わっていく。ジワジワとこみ上げてくる辛さの中にも挽き肉の旨み、野菜の甘みがたっぷりとあふれ、スプーンが勝手にカレーを口に送り込んでいく。
このおいしさは、手間ひまかけた仕込みだけにあるのではなく、山下さんの実直で寡黙、そしてゴーイング マイ ウェイな性格にある。「昔から自分に正直で、人と同じがキライ。やりたいことしかやらないスタンスで、自分の作りたいもの、食べたいものしか作れないんですよ。家族を養うためにもお金は必要だけど、根底にあるのは自分が納得するカレーを毎日食べたいから。本当に好きなことをやってるから毎日が楽しいし、自分の生きてる時間をすべてカレーに捧げてもいいと思うね」。
似たものがない、オンリーワンの味を届けるキーマカレーの名店『yaman』。ここのカレーには、ただただ自分に真っすぐに、納得するカレーを作り続ける山下さんの生き様が映し出されているのかもしれない。

「ミックスキーマカレー」(800円)

黒コショウがピリリと効いた黒キーマと、赤トウガラシのしびれる辛さがクセになる赤キーマを合いがけに。スパイスの調合を日々の気温や天候によってわずかに変え、より味覚に響く味わいを作り出している。

「やまんカレー」(1,000円)

マイルドなチキンカレーと刺激的な黒キーマを合わせたルウに、たっぷりのチーズと味玉がのった人気No.1メニュー。スパイスが幾層にも絡み合い、単なる足し算ではない、かけ算のマジックが味わえる。

yaman (ヤマン)

住所: 宮城県仙台市青葉区一番町4-5-19 東一市場

電話:022-224-7724

営業情報:11:30~20:00※売切れ次第終了

定休日:不定休

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カマスポ

「三度の飯より釣りが好き」。休日のほとんどを海の上で過ごす、中肉中背既婚の釣りバカスタッフ。「宮城の観光特派員」「うちの自慢、聞いてけさいん」「せんだい★スポーツ」などを担当中